映像人類学(センサリーメディア)研究会
院生代表者
- 福田浩久
教員責任者
- 小川さやか
企画目的・実施計画
映像という形態が研究報告/調査方法/研究報告の一形態一つとして人類学に登場し、認知されるようになってからは久しい。しかしテクストと比較すると、いまだに映像は限られた研究者たちによる部分的な手法としての位置に留まっており、研究の深化とその他の研究者たちのへの普及・「理解」との間には乖離があるようにもみえる。本研究プロジェクトではその乖離を少しでも埋めることで研究メンバーが、1)映像人類学の展開を人類学史やエスグラフィとの関係から理論的に学びぶこと、2)メディア映像制作の実践を通じて調査・研究報告ができるかたちにすることを目的とする。そのために読書会と講師招聘と実習の三様の学びの場を企画した。
活動内容
読書会ではDavid MacDougall Corporeal Image (2005) を精読のうえ、議論した。またインプットが「読む」だけでは片手落ちで「観る」必要があるので、ほぼ定期の上映会も実施している。講師は第一回に松本工房の松本久木氏を招いて、写真を編集するということについて専門家の視点から語ってもらった。第二回には小田マサノリ/イルコモンズ氏を招き、映像を編集することについてのレクチャーと実習を二日間に渡ってしてもらった。またグループに分かれての映像撮影、編集、上映講評会も実施した。
- New!映像編集ワークショップ開催
立命館大学の映像人類学院生プロジェクトでは3/18,19の2日間にかけて小田昌教/イルコモンズ先生を講師に迎えて映像編集のワークショップをします。初日はレクチャー、2日目が実習となり、映像のリテラシーを知識として身につけるとともに、実習を通じて身体的な理解を促す、21世紀の知の基礎講座になります。
【タイトル】立命館映像編集ワークショップ
【講師】小田昌教/イルコモンズ
【日時】3/18(月) 14:00-17:00頃 レクチャー
3/19(火) 14:00-17:00頃 実習
【場所】立命館大学 衣笠キャンパス 有心館YS201
【参加人数】10名程度
【授業内容】このワークショップは、映像制作の「ハウツー」だけでなく、映像に関する知識と「リテラシー」を身につけながら、映像制作の「スキル」とそのたのしさを学ぶものです。具体的には「映画」のはじまりの時代から使われてきた編集術や特殊効果を、映像編集ソフトで体験することで、映像制作の基本を身につけます。まずはじめに、これまで一度も映像を制作したことのない人でも簡単にはじめられるように、YouTubeがネット上で提供している「YouTube動画エディタ」を使って、初歩的な編集を体験します。次に、パソコンのOSに付属している映像編集フリーソフトを使い、基本的な特殊効果を学びます。さらに、編集ソフト「AdobePremierePro」を使い、自分が表現したいものを映像化する「テクニック」を身につけます。
【到達目標】「20世紀は人類がはじめて歴史を「動く映像」として見ることができた最初の世紀」であったことから「映像の世紀」と呼ばれました。20世紀の映像は、主に映画館やテレビのスクリーンで見るものでしたが、メディアの発達と多様化により、今ではパソコンをはじめ、携帯電話やスマートメディアのディスプレイで見るものとなり、あらゆる場所に映像があふれています。いまや映像は「メディア」のための「コンテンツ」とされ、消費されるものとなりました。私たちは、日常のささいな出来事まで「動く映像」として見る「二番目の映像の世紀」を生きていて、「最初の映像の世紀」の人たちが体験した驚きや感動を感じることはありません。このワークショップは、「はじめて映画を見た人たち」や「はじめて映画をつくった子どもたち」の姿を見ることからはじめます。そして「映像の最初の世紀」を生きた映画作家たちの思索や実験をふりかえりながら、それを追体験することで、もう一度、映像に向かい合いたいと思います。「映像の再発見」は、私たちの身のまわりの世界や人生の見方を変えるかもしれません。
【事前・事後学習】ワークショップで紹介した映画やヴィデオを、ネットの「映像アーカイヴ」や「動画配信サイト」で見て、予習・復習をしてください。
▪️参加希望の方は以下のアンケートに回答のうえ、ふくだぺろ/福田浩久 isthisapen7(at)gmail.com ((at)を@に置き換える)までメールください。
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氏名
所属
専攻分野・研究テーマ
映像でなにをしたいか
撮影経験
編集経験
使ったことがある編集ソフト
好きな映画作品(5本程度)
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▪️シラバス
成果及び今後の課題
基礎的な理論と実践は今年度でメンバーそれぞれ身についた。また先端研に限らず、立命館の映像研究科や京都大学も巻き込んで、映像人類学に関心を持つ人間にとってのハブとして本研究会が機能していることは今年度の達成といえる。一方で本研究会の達成を点で終わらせず、線に、面に拡大するには継続と更なる広がりが必要になる。そのためにはメンバーの要望にもよるが、より体系立てたカリキュラムが必要になると思われる。
構成メンバー
・福田 浩久
・小田 英里
・荒木 健哉
・今里 基
・八木 達祐
・酒向 渓一郎