科学史・医学史研究会
院生代表者
- 坂井 めぐみ
教員責任者
- 松原 洋子
企画目的・実施計画
本研究会は、2013年から行ってきた「科学史・医学史論文の読書会」を継承し発展させるものである。科学史・医学史に関する論文を精読することとメンバーの研究報告を通して、科学史・医学史の基礎を学ぶとともに、メンバーの研究をさらに深めることを目的としている。本研究会は、けがや障害、疾病、乳幼児など身体の状態に対して導入、展開されてきた医療・技術をめぐる事柄について、あるいは衛生に関する制度について歴史的な手法を用いて研究するメンバーを中心に構成されている。対象としている事柄は異なるが、歴史研究という方法論は共通している。本研究会は2013年から行ってきたため、修了生や専門研究員からの研究上の助言を得られる体制を整えており、現院生は本研究会の活発な議論を通じて互いの関心を共有し、各自の研究を深化、発展させることができる。
実施計画としては、学会発表やジャーナルへの投稿にあわせ各自の研究発表、フィールドワークや調査後には調査報告会を行い、研究会メンバーで議論・意見交換をおこなう。
活動内容
- 第1回科学史・医学史研究会
日時:11月5日(土)、13時〜15時半
場所:創思館410
報告者① 三浦藍「岩龍寺の精神病治療と同時期の民間療法について」
報告者② 西沢いづみ「堀川病院における高齢者医療の取り組み(1968年〜1972年)」
- 『近代日本の公衆浴場運動』合評会(主催:立命館大学生存学研究センター、共催:科学史・医学史研究会)
日時:1月29日(日)、13時半〜18時14:10
場所:キャンパスプラザ京都6階 第1講習室
自著解題: 川端美季氏(立命館大学)
評者コメント:祐成保志氏(東京大学)
評者コメント:杉山博昭氏(ノートルダム清心女子大学)
院生指定質問:坂井めぐみ
成果及び今後の課題
第1回科学史・医学史研究会では、メンバー2名の研究報告をおこなった。修了生や他研究科からの参加もあり、活発な議論が展開された。ディスカッションを通し、研究の方向性や構成、今後の課題を明確にすることができた。各メンバーの研究は歴史研究という方法が共通しているため、論文構成などの点で各自の研究につながるディスカッションになった。また、生命領域修了生の川端美季氏による『近代日本の公衆浴場運動』の合評会を立命館大学生存学研究センターとの共催でおこなった。メンバーの調査内容としては、脊髄戦傷の医療や陸軍病院に関する文献・史料(『国立箱根療養所業績集 脊髄損傷』、臨時東京第一陸軍病院関係史料)の閲覧及び複写のために「しょうけい館 戦傷病者史料館」に行った【坂井】。また、都道府県、政令指定都市にタンデムマススクリーニングの実施状況のアンケートをおこなった【笹谷】。
今年度は、科学史・医学史に関する論文を精読することができなかった。メンバーの研究報告だけでなく論文精読も合わせて行い、科学史・医学史の基礎を学び、メンバーの研究を深化させることが今後の課題である。
構成メンバー
坂井めぐみ 生命領域 2011年度入学
笹谷絵里 生命領域 2014年度入学
三浦藍 生命領域 2016年度入学
西沢いづみ 生命領域 2008年度入学