領域横断カリキュラム
カリキュラムについてGeneral Remarks
先端総合学術研究科のカリキュラムは、3年次以後のプロジェクト参加および論文執筆の部分と、プロジェクトに参加するための準備期教育の部分とに、大きく分かれます。
2度の大戦を経験したはずの世界がいままた新種の対立を生起させています。21世紀を脱国民国家の時代とする見方がある一方で、持続可能な地球規模の実践や生命倫理にかんする思索は十分な果実を生んでいません。1年次時の選択を必修とした、「コアエシックス」の名を冠する3つのベーシック・リーディングは、こうした問題群を見渡す視座を構築するためのものであり、それを4つのテーマ(「公共」「生命」「共生」「表象」)が個別に用意する(オリエンティッド・リーディング)が引き継ぎます。
これらリーディングと並行して開講されるサポート科目は、主として研究成果を発信するスキルを養成するものですが、体系的にカリキュラムに組み込む試みは他に例をみません。そうした発信手法にもよった博士予備論文は、その名のとおり、3年次以降にプロジェクト研究に正式参加するための資格審査の素材となります。
プロジェクトに参加するようになると、節目節目に課される実践的な成果発表がそのまま研究者としての評価につながります。また、このような諸成果が、科目としてのプロジェクトの進行とは厳密には別個の、まさにこの一貫制課程に身をおく学生一人ひとりのプロジェクトの最終成果として、博士論文として結実するのです。