院生プロジェクト「フランス現代思想研究会」カウント・イン ミシェル・フーコーの「安全装置」と現代
<公開研究会テーマ>
カウント・イン ミシェル・フーコーの「安全装置」と現代
<開催日時・会場>
2025年2月22日(土)15:00~17:00 (開場:14:30)
会場:立命館大学 衣笠キャンパス 究論館 プレゼンテーションルーム
ゲスト講師:箱田徹先生(神戸大学 大学院国際文化学研究科 グローバル文化専攻 准教授)
講演「ポスト福祉社会のフーコー統治論 新たな展開を求めて」
<公開研究会概要>
ミシェル・フーコーが提唱した、「安全 Sécurité」という概念。これは、技術の発展が進む1970年代に、フーコーが1977年の講義『安全・領土・人口』の中で詳述したものです。この概念は、「主権」としての権力、「規律」としての権力がそれぞれ登場したのち、統計的手法に基づく人間の管理技術の発展によって新たに出現した権力の形態を指しています。この「安全(装置)」は、「主権」のように特定の統治者が個々人を支配するわけでもなく、「規律」のように権力を各人の中に内面化して自らを律するのでもありません。それは、単なる統計的なデータを用い、社会全体の調整を図るものであり、人間の生はこの緩やかな調整の全面化の中に浸されることになります。
フーコーのこの講義からは約50年が経過した現在においても、この「安全(装置)」という権力形態は依然として効力を失ってはいません。現代社会では、人間は統計的なデータの一部として「カウント・イン」され、収入やSNSのフォロワー数といった統計データに過剰に依存する傾向が見られます。このような現状を踏まえ、再び「安全(装置)」に関する議論が求められるのは明らかでしょう。それでは、この「安全(装置)」に対して、どのような抵抗、便乗、または脱構築が可能なのでしょうか。
さらに重要な問いとして、新たな技術であるAI、特にChatGPTの台頭と「安全(装置)」との関係性が挙げられます。この技術は「安全(装置)」の一部として捉えるべきか、それとも新たな権力形態の予兆と見るべきか。これも議論の余地があります。
フーコーの死後40年を記念し、今回の公開研究会では、フーコー研究者である箱田徹先生(神戸大学 大学院国際文化学研究科 グローバル文化専攻 准教授)をお招きし、「安全(装置)」と「現代」について考えます。そして、「安全(装置)」による「カウント・イン」を、これからの時代を生きる=演奏するための「カウント・イン」に読みかえ、そのように軽快なリズムを鳴らすことを目指します。
〇参加申し込み
イベント当日までに下記フォームから参加の申し込みをお願いします。
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLScRMm1dDqwG2SQmB8_ivfJUXzHfYHTb0jojmDxbys_maJIvcg/viewform?usp=header
〇主催
立命館大学大学院 先端総合学術研究科 「フランス現代思想研究会」
問い合わせ:蛭間直人
gr0529sf@ed.ritsumei.ac.jp