生命―争点としての生命
■生命
争点としての生命
近年のゲノム分析の進展、生命操作をめぐる新しい事態、自然破壊の急速な進行…、などが投げかける倫理的諸問題を整理して、新しい生命・環境の理解と表現の可能性をひらきます。
生命論の理論的争点―小泉義之(哲学・倫理学)
哲学・倫理学を基礎に、小泉が中心となって、近現代において生命と生物が理論的にどのように認識され、文化的にどのように表象されてきたのかを整理して、 新しい生命論を展望する。また、現代生物学がいかなる理論的課題に直面し、現代文化がいかに生と死を表象しているかを整理し、生命と生殖と病と死について 総合的に探究する。そして、現代的な生物観ひいては人間観を構築することを目標とする。
生命操作技術の倫理―松原洋子(科学論・ジェンダー論)
科学史(優生学史・遺伝学史)およびジェンダー論を基礎に、松原が中心となって、現代の生命操作技術をめぐる諸問題について広範な資料収集をおこない、的 確な研究法を探求する。生命倫理における個と全体の関係に着目して、エコロジー思想から、優生思想、生殖ヘルス、代理母、臓器売買等、現代の生殖医療・技 術の抱える問題を、整理・検討し、こうした問題に接近するための生命論と、ありうべき新しい倫理の構築をこころみる。