マイノリティとマジョリティのディスコミュニケーション研究会 (MMD研)(2024年度)

院生代表者

  • 森下 摩利

教員責任者

  • 小川 さやか

概要

【目的】
聴者とろう者、健常者と障害者(盲ろう者・高次脳機能障害者など)、日本語母語話者と非日本語母語話者などのように多数派と少数派のコミュニケーションには方法や形態の異なりが存在するだけでなく、マジョリティ側の方法に強制させられたり、また、それにより情報アクセスの制限や自分の思いや意見を述べる機会の減少など、マイノリティが抑圧されたりしてしまうことがある。マイノリティとマジョリティのコミュニケーションにおいて、自己決定がどのようになされているのか、社会の構成員としてどのように主体的に参加しているのか、さらにコミュニケーションの「平等化」や「民主化」(野口2016)の達成を志向していくには何が必要でどうすればいいのか。ディスコミュニケーション(コミュニケーションとして機能しているが、それが「平等化」「民主化」されていないもの)の事例を通して、コミュニケーションとはどのような行為/現象なのかについて考えていく。

【内容・方法】
以下の3点である。
1. 研究目的に沿った研究者に講演をしてもらい、コミュニケーションの様々な方法や状況の課題について理解を深めていく。
2. 研究会メンバーが各自のテーマでの研究を発表する。査読付き論文に向けた作業だけでなく、研究計画や調査の進め方についての相談など各自の研究状況にあわせた発表を行う。
3.講師を招いた企画では、ろう者や高次脳機能障害者、発達障害者等の参加が制限されないよう、最低限の情報保障を準備する。なお、今年度は本助成金の他に「研究活動支援費制度」に申請し、情報保障費を確保する。

【意義】
本研究会の意義は、コミュニケーションに関する障害や、他者とのコミュニケーションにおいてもどかしさを感じる状況にいる人々に着目する研究者が集まり、意見の交換や報告を経て各自の研究力向上/学術研究に寄与できるという意義を持つ。

【参考】
Goffman, E. (1959) The Presentation of Self in Everyday Life. Doubleday & Company.: 石黒毅(訳)(1974)行為と演技――日常生活における自己呈示.誠信書房.
野口裕二 (2016) 医療コミュニケーションの変容――平等化と民主化をめぐって, 保健医療社会学論集, 27(3), 3-11.

活動内容

構成メンバー

種村 光太郎
森下 摩利
石川 真紀
田中 秀典
大橋 一輝

活動歴

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