脱構成研究会(2024年度)

院生代表者

  • 徳永 怜

教員責任者

  • 小泉 義之

概要

 本研究プロジェクトの目的は、イタリアの政治哲学者ジョルジョ・アガンベンのホモ・サケルシリーズの文献を用いた講読会を通じて、【脱構成】というテーマから現代の「生政治」を問題とする政治哲学、公法学、美学に関する知見を深め、研究者としてのスキルアップを目指すことである。
 【脱構成】とは、アガンベンがアントニオ・ネグリの「構成的権力」を批判する際に提示した戦略である。執行権力が法措定を事実上占領する「例外状態」が状態化した今日において、憲法制定の力としての「構成的権力」に頼ることはもはや袋小路である。【脱構成】はこうした生政治的状況に応答するために、法措定を回避する生の形式の可能性を広く問うものであり、その実践について理論的な考察を行うことが本研究会の任務となる。
 具体的な内容としては、2024年6月から2025年2月にかけて、関連研究を行うメンバーによる月例の研究会を実施し、文献の講読とレジュメ作成を行ない、発表形式で講読会を進めていく。さらに、秋学期以降は公開研究会を開催し、生政治を扱う現代思想を専門とする講師を招聘し、より専門的な講義とディスカッションを行う。 本研究プロジェクトの意義は、以下の通りである。
1. 生政治を問題化する現代思想分野における知見の深化:文献の購読とディスカッションを通じて、生政治(イタリア現代思想及びフランス現代思想)の理論やアイデアについてより深い理解を得ることができる。
2. 研究者としてのスキルアップ:レジュメ作成や研究発表を通じて、研究方法や論理的思考力など、研究者として必要なスキルを向上させることができる。
3. 学外講師との交流:公開研究会を通じて学外の専門家と交流し、専門的な知識や視点を得ることができる。

*本研究会は立命館大学先端総合学術研究科の学生を主要メンバーとしつつ、京都大学人間環境学研究科や東京都立大学人文科学研究科でアガンベン等の現代思想を研究する院生も協働で参加する。

活動内容

構成メンバー

徳永 怜
立川 宗一郎
今井 友哉
談 拉成
曲 虹霖

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