SOGI研究会(2022年度)

院生代表者

  • OUYANG Shanshan

教員責任者

  • 立岩 真也

概要

【目的】SOGI(Sexual Orientation and Gender Identity)とは、性的指向とジェンダー・アイデンティティのことを意味する。本研究会はSOGIの視点で幅広い課題を検討することを目指している。2022年度研究会の目的は、クィア・アクティビティにおいて、SOGIはどのように表象されているのかという課題を中心に、クィア理論、メディア分析、ディスアビリティ・スタディーズ、地域研究など多様な分野から考察することである。
【内容と方法】本研究会の内容および方法は3つの活動で構成される。
①読書会を開催し、クィア・アクティビティに関する文献・論文の輪読を行うことを活動の基本とする。その場、担当メンバーがレジュメを作って発表する。
②クィア映画祭、展覧会など関連イベントに参加し、その場で得た知識と自分なりの感想などを研究会で検討する。
③読書会で検討したテキストの著者、海外の研究者を招きして公開研究会を行う。
【意義】本プロジェクトは、多様な専門領域とSOGIの接点を探ることによって、コミュニティと社会運動研究に関心を持つメンバーは各自の研究を進捗させると考える。また、プロジェクトを通じて、海外の研究者との交流に促進する。

活動内容

(1)文献の講読と映画鑑賞

1 日時:2022年8月31日
内容:文献講読 千葉雅也,2018,「あなたにギャル男を愛していないとは言わせない──倒錯の強い定義」『意味がない無意味』河出書房新社,94-228.

2 日時:2022年9月30日
内容:文献講読 White, Francis Ray. “No fat future? The uses of anti-social queer theory for fat activism,” Queer futures: Reconsidering ethics, activism, and the political (2013): 21-36.

3 日時:2022年9月24日〜25日
内容:関西クィア映画祭に参加し、パートナーシップやエイジングを反映する『夫=夫』、同性を好きになったろう者のストーリーである『ジンジャーミルク』、トランスジェンダー の議論を集めた『ノー・オーディナリーマン』など作品を鑑賞した。

4 日時:2023年2月10日
内容:文献講読 Stockinger Arnaud, 2020,「Can Film Be Gay? : Re-thinking “Gay” as a Film Genre in Japanese Context」『国際文化学』 33:114-134; 映画『エゴイスト』を鑑賞した。

5 日時:2023年2月11日
内容:文献講読 三須祐介, 2021, 「戦争と「同志」叙事:大島渚『戦場のメリークリスマス』から明毓屛『再見,東京』へ」『立命館言語文化研究』 33 (1):97-110; 映画『戦場の メリークリスマス』を鑑賞した。

(2)公開研究会の開催
2023年2月12日に、「母/子それぞれが互いに綴る背反と和解、10年の軌跡」と題して、公開研究会を開催した。イベントでは、研究会メンバーである勝又栄政さんによる講演を通し、著書『親子は生きづらい── “トランスジェンダー”をめぐる家族の物語』執筆の経緯をはじめ、本書の内容をご紹介いただきつつ、「トランスジェンダーの子と親」の現状について、お話いただいた。その後、参加者とともに議論を深めた。
文献閲読:勝又栄政,2022,『親子は生きづらい── “トランスジェンダー”をめぐる家族の物語』金剛出版.

活動内容

 今年度は、SOGIはどのように表象されているのかという課題を中心に、クィア理論、メディア分析に関連する文献を講読し、それに関連する映画も鑑賞した。クィア・アクティビティの多様さを学習することができた。また、公開研究会を通じてトランスジェンダーに関わる議論や当事者の経験への理解も深めることができた。今後、学際的、国際的な研究会活動をしていくことを望んでいる。

構成メンバー

OUYANG Shanshan
長島 史織
QU Honglin
TAN Lacheng
宮内 沙也佳
勝又 栄政

活動歴

2021年度の活動はコチラ
2020年度の活動はコチラ
2019年度の活動はコチラ

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