2023年度博士論文・博士予備論文構想発表会

2023年度 博士論文/博士予備論文構想発表会

先端研では、博士予備論文(修士論文に相当)・博士論文の構想発表会を行なっています。
構想発表会は、プロジェクト型教育・学際的研究を推進する先端研ならではの、多様な関心をもつ院生・教員・研究者らが集う貴重な機会です。ぜひこの場に参加して、先端研の魅力を体感してみてください。

2023年度 秋学期 博士論文/博士予備論文構想発表会
論題・スケジュール

開催概要
対面+Zoomのハイブリット形式。実施者は全員対面実施です。
日時:2024年2月6日(火)~2月7日(水)
会場:立命館大学衣笠キャンパス創思館1階カンファレンスルーム

2024年2月6日(火)

  • 14:00~14:35 <予備> (公共) 日本「ものづくり大国」イメージの起源と流布過程
  • 14:35~15:10 <予備> (共生) 食から見る野生性とドメスティケーション―中国広州市における「了能菜」の例を中心に(仮)
  • 15:20~15:55 <予備> (公共) 外国人研修・技能実習制度とその秩序
  • 15:55~16:30 <予備> (表象) 生成としての遊び」を学習活動に応用する基礎的検討 ――無気力学習者向けの自主型授業設計の可能性
  • 16:40~17:30 <博士> (共生) 高次脳機能障害のある人が選択する自己開示ーー受傷から就労までの戦略と葛藤

2024年2月7日(水)

  • 10:00~10:50 <博士> (共生) 障害とセクシュアリティの交差――台湾における障害のある性的少数者の経験から
  • 11:00~11:50 <博士> (表象) 20 世紀における中国年画の変容 ―民衆美術とプロパガンダ美術のはざま─
  • 13:00~13:50 <博士> (共生) 平等主義的暴力の存在論:トゥワ・ピグミーのマルチモーダル民族誌
  • 14:00~14:50 <博士> (表象) 日本における映画からテレビへのメディア・コンテンツの変遷-東映を中心に-
  • 15:00~15:50 <博士> (公共) 「脳性麻痺」に行なわれた手術――1940年代~1970年代に着目して――(仮)
  • 16:00~16:50 <博士> (表象) 1930年代日本の「音画」思想
  • 17:00~17:50 <博士> (生命) 日本の自閉症施設とその周辺の歴史――戦前からの自閉症処遇前史と1960年代以降の専門施設の出現過程、そして施設設立とその支援にかかる制度化をめぐる動き――

2023年度 秋学期 博士論文/博士予備論文構想発表会
論題・スケジュール

開催概要
対面+Zoomのハイブリット形式。実施者は全員対面実施です。

2023年10月24日(火)

    会場:衣笠キャンパス平井嘉一郎記念図書館カンファレンスルーム
  • 13:30~14:20 <博士>(公共)日本の自閉症施設とその周辺の歴史――戦前からの自閉症処遇前史と1960年代以降の専門施設の出現過程、そして施設設立とその支援にかかる制度化をめぐる動き――
  • 14:30~15:20 <博士>(表象)ダンス作品の存在論――虚実の二重性としてのパフォーマンスと作品――

2023年10月31日(火)

    会場:衣笠キャンパス 創思館407、408教室
  • 13:00~13:50 <博士>(公共)障がい者制度改革の研究――公共政策形成における当事者参画の意義と課題――

2023年度 春学期 博士論文/博士予備論文構想発表会
論題・スケジュール

開催概要
日時:2023年7月22日(土)~7月24日(月)
会場:立命館大学衣笠キャンパス創思館1階カンファレンスルーム

2023年7月22日(土)

  • 10:00~10:35 <予備>(表象)『League of Legends』のランク戦における「強制敗北」言説の考察
  • 10:40~11:15 <修士>(共生)中国における仏教系高齢者福祉施設による心のケアに関する考察 (仮)
  • 11:25~12:00 <修士>(公共)クリエイティブ労働による職業生活の形成と継続──プロバンドマンを事例に
  • 12:05~12:40 <予備>(表象)デジタルゲームにおける批判的で逸脱的な遊び〜「あつまれどうぶつの森」のアバターを中心に
  • 14:10~14:45 <予備>(公共)盲ろう者たちの運動史 ――「複雑な困難」をめぐるもうひとつの障害者運動
  • 14:50~15:25 <予備>(表象)データベースでは満足しないプレイヤー:ファンの考察から見る新しい消費
  • 15:35~16:10 <修士>(表象)中西夏之、1960年代の制作と思考─物質と概念の結び目としての中西夏之論─
  • 16:20~17:10 <博士>(公共)沖縄的共同体論とジェンダー―シングルマザーの生活史から

2023年7月23日(日)

  • 10:00~10:35 <予備>(共生)繋がりを切断する実践についての考察― 楽器修理における 「即興的な修理技法」 を対象として―
  • 10:40~11:15 <予備>(表象)武満徹における〈夢〉と〈数〉の詩学―1980年代の言葉と管弦楽曲を中心に
  • 11:25~12:00 <予備>(表象)プレイヤーに与えられる手がかりの多様さ 〜ビデオゲーム攻略の類型論〜
  • 12:05~12:40 <予備>(公共)現代中国における「自発的」長時間労働をめぐる社会学的研究
  • 14:10~14:45 <修士>(公共))障害者施設コンフリクトを解消できなかった要因と背景にあるもの――京都府長岡京市の事例から
  • 14:50~15:40 <博士> (共生)都市インナーエリアで紡がれる零細自営業のサブシステンスに関する社会学的研究――京都市出町における商実践を事例として

2023年7月24日(月)

  • 10:40~11:15 <予備>(共生)現代中国における婚姻の転換 ――上海人民公園の「相親角」からの民族誌的研究
  • 11:25~12:00 <予備>(表象)ジャック・ラカンにおける精神分析的主体の再検討─「喜劇的主体モデル」の構築に向けて─
  • 12:05~12:40 <予備>(生命)現代中国における喫煙環境の変遷-法律と政策から見る現状-
  • 14:10~14:45 <修士>(共生)「一人子」時代に生まれた若者たちの留学オデッセイ 中国人留学生サークル「M 会」のライフストーリーから
  • 14:50~15:25 <修士>(公共)中国の健康診断制度より軽度肢体障害者の自己認識に与える影響
  • 15:35~16:10 <修士>(共生)在日中国人の「顔が見える団購」を通した新たな「つながり」創出に関する人類学的研究
  • 16:20~17:10 <博士>(公共)障害者制度改革の研究―公共政策形成における当事者参画の課題―
  • 17:20~18:10 <博士>(表象)明治時代の日本音楽界における「エキスプレッション」の変遷――第一高等学校および東京音楽学校出身者の「音楽批評」をもとに

 

注意事項

発表者の方へ

  • 時間配分
    <博士論文構想発表会> 発表時間30分、質疑応答20分(合計50分)
    <博士予備論文構想発表会> 発表時間15分、質疑応答20分(合計35分)
    <修士論文構想発表会> 発表時間15分、質疑応答20分(合計35分)
  • 発表は、論文のテーゼ・論旨に絞って、簡潔かつ明確に述べること。
  • 発表時のレジュメ(A3片面印刷1枚)を、必ず予め50部用意して持参すること。
    博士論文の構想発表でもA3判両面1枚までに必ずおさめてください。
    また、レジュメのデジタルデータ(.docx あるいはPDF)をメールに添付して提出してください。
    提出期限:7/20(木)17:00
    送り先:doku-ken[at]st.ritsumei.ac.jp([at]を半角@に変更)
    件名:「先端研 構想発表会資料(氏名)」としてください。
    特に決まった書式はありません。
  • レジュメには以下の事項を簡潔に記載すること。
    ・論文の主旨
    ・論文の章立て
    ・研究史上の意義
    ・主要参考文献
    ・必要なら図表
  • 発表用原稿またはメモはレジュメとは別に各人において用意すること。
  • 発表者で欠席する場合は、必ず件名に「先端研」と入れて下記まで連絡してください。doku-ken[at]st.ritsumei.ac.jp ([at]を半角@に変更)
  • 発表用に使用する機器類については事前に事務室に申し出ること。

先端研院生の方へ

  • やむを得ぬ事情のあるときを除き、先端総合学術研究科の大学院生は全員参加を原則としています。特に新入生の方は、次年度の発表に向けて (授業との重複を除き)ご参加ください。

 

過去の博士論文・博士予備論文構想発表会

2022年度 博士論文・博士予備論文構想発表会
2021年度 博士論文・博士予備論文構想発表会
2020年度 博士論文・博士予備論文構想発表会
2019年度 博士論文・博士予備論文構想発表会
2018年度 博士論文・博士予備論文構想発表会
2017年度 博士論文・博士予備論文構想発表会
2016年度 博士論文・博士予備論文構想発表会
2015年度 博士論文・博士予備論文構想発表会
2014年度 博士論文・博士予備論文構想発表会
2013年度後期 博士論文・博士予備論文構想発表会
2013年度前期 博士論文・博士予備論文構想発表会
2012年度後期 博士論文・博士予備論文構想発表会
2012年度前期 博士論文・博士予備論文構想発表会
2011年度後期 博士論文・博士予備論文構想発表会
2011年度前期 博士論文・博士予備論文構想発表会

マイノリティとマジョリティのディスコミュニケーション研究会 (MMD研)(2024年度)

院生代表者

  • 森下 摩利

教員責任者

  • 小川 さやか

概要

【目的】
聴者とろう者、健常者と障害者(盲ろう者・高次脳機能障害者など)、日本語母語話者と非日本語母語話者などのように多数派と少数派のコミュニケーションには方法や形態の異なりが存在するだけでなく、マジョリティ側の方法に強制させられたり、また、それにより情報アクセスの制限や自分の思いや意見を述べる機会の減少など、マイノリティが抑圧されたりしてしまうことがある。マイノリティとマジョリティのコミュニケーションにおいて、自己決定がどのようになされているのか、社会の構成員としてどのように主体的に参加しているのか、さらにコミュニケーションの「平等化」や「民主化」(野口2016)の達成を志向していくには何が必要でどうすればいいのか。ディスコミュニケーション(コミュニケーションとして機能しているが、それが「平等化」「民主化」されていないもの)の事例を通して、コミュニケーションとはどのような行為/現象なのかについて考えていく。

【内容・方法】
以下の3点である。
1. 研究目的に沿った研究者に講演をしてもらい、コミュニケーションの様々な方法や状況の課題について理解を深めていく。
2. 研究会メンバーが各自のテーマでの研究を発表する。査読付き論文に向けた作業だけでなく、研究計画や調査の進め方についての相談など各自の研究状況にあわせた発表を行う。
3.講師を招いた企画では、ろう者や高次脳機能障害者、発達障害者等の参加が制限されないよう、最低限の情報保障を準備する。なお、今年度は本助成金の他に「研究活動支援費制度」に申請し、情報保障費を確保する。

【意義】
本研究会の意義は、コミュニケーションに関する障害や、他者とのコミュニケーションにおいてもどかしさを感じる状況にいる人々に着目する研究者が集まり、意見の交換や報告を経て各自の研究力向上/学術研究に寄与できるという意義を持つ。

【参考】
Goffman, E. (1959) The Presentation of Self in Everyday Life. Doubleday & Company.: 石黒毅(訳)(1974)行為と演技――日常生活における自己呈示.誠信書房.
野口裕二 (2016) 医療コミュニケーションの変容――平等化と民主化をめぐって, 保健医療社会学論集, 27(3), 3-11.

活動内容

構成メンバー

種村 光太郎
森下 摩利
石川 真紀
田中 秀典
大橋 一輝

活動歴

2023年度の活動はコチラ

少数者と教育研究会(2024年度)

院生代表者

  • 種村 光太郎

教員責任者

  • 後藤 基行

概要

 本研究会は、「少数者と教育」というテーマに関する研究を行う院生によって運営されている。例えば、メンバーの山口が研究している「高等教育の障害学生支援」という分野では、従来「支援の在り方」や「制度の在り方」に注目した研究が多くなされてきた。しかし、当該分野においては、そもそも「どのような経緯で障害学生が高等教育に受け入れられるようになったのか」について研究されてこなかった。また、メンバーの竹村が研究対象とする「障害者の高校進学」について、視覚・聴覚などの障害学生への合理的配慮配慮は検討されても、「学力」で劣る重度知的障害者への合理的配慮配慮については検討されてこなかった。本研究会では、そのような「少数者」が教育機関で学ぶ時に前提となり議論されていないこと、例えば「高等教育では障害者/健常者とを分けずに、共に学んでいくこと」「知的障害者が高等教育に進学することが困難」など、「社会的少数者が高等教育機関で学ぶ」などについて議論を行う。そうすることで、本研究会では社会的少数者と教育に関係する学術的な議論を根本から問い返すことを目指す。
 そこで本研究会では、各々の研究対象について議論することはもちろん、「少数者と教育」に関するテーマ全般について議論していき、以下の目的の達成を目指す。
①「少数者と教育」に関する研究動向や歴史を把握、及び実態を調査し、その成果を発信していくことを通じて、学術研究の発展に寄与できる実践力を身に付けること。
②「少数者と教育」に関わる研究を行う院生の共同研究を通じて、各自の研究能力を向上させること。
③ 研究目的に沿った研究者に講演をしてもらい、「少数者と教育」を取り巻く課題について理解を深める。

活動内容

 

この度、立命館大学先端総合学術研究科の院生プロジェクト「少数者と教育」研究会と「障害者とjob&work」研究会では、「障害者の働くを/から考える——福祉・就労・教育」というテーマで、下記の通り、合同シンポジウムを開催することになりました。

「働けない」「不安定な働き方」を巡る研究から、福祉・就労・教育をとらえなおすことを目的とし、
東京大学の近藤武夫先生、明治学院大学の猪瀬浩平先生、立命館大学の小川さやか先生にご登壇いただきます。

労働と教育には深い相互関係があり、単独でそれぞれのテーマに分けて開催するよりも、より深い知見を得ることが可能になると考えます。
ご関心のある方は是非ご参加いただけますと幸いです。
よろしくお願いいたします。

〇概要
「一人前」の仕事ができない。
だから、いくつも・たくさんの仕事を、仲間と柔軟に乗りこなす。細かく分ける。
多様な人たちと一緒に耕す。
「働けない」「不安定な働き方」を巡る研究から、福祉・就労・教育をとらえなおす。

本シンポジウムは、近代の「能力主義的」な、「一人前の仕事」に対して、
オルタナティブな働き方を提示する研究者たちと、今日の障害者にとっての福祉・就労・教育をとらえなおすことを目指します。

〇開催日時
2025年1月25日(土) 14時〜17時

〇開催場所
立命館大学衣笠キャンパス創思館1Fカンファレンスルーム
現地およびZoom(ハイブリッド)

〇参加対象者・定員
関心のある方。
現地定員:90名
Zoom定員:200名

〇講師・登壇者情報
・近藤武夫
東京大学先端科学技術研究センター教授。博士(心理学)。文部科学省 「障害のある学生の修学支援に関する検討会」委員などを歴任。一般社団法人 特別支援教育士資格認定協会理事。SISL(東京大学 先端科学技術研究センター 社会包摂システム分野)研究プロジェクトにて活動。
・猪瀬浩平
明治学院大学教養教育センター教授。博士(社会人類学)。専門は文化人類学。著書に『分解者たち——見沼田んぼのほとりを生きる』(生活書院)、『野生のしっそう:障害、兄、そして人類学とともに』(ミシマ社)など。
・小川さやか
立命館大学大学院先端総合学術研究科教授。博士(地域研究)。専門は文化人類学、アフリカ研究。代表作に『都市を生きぬくための狡知——タンザニアの零細商人マチンガの民族誌』(世界思想社)、『「その日暮らし」の人類学——もう一つの資本主義経済』(光文社新書)など。

○参加方法
以下の申込フォームよりお申し込みください。
https://forms.gle/vaMka9n5g119f9Su5
※申込締切:2024年1月18日(日)まで

○情報保障について
手話通訳、文字情報保障

○合理的配慮について
上記の情報保障以外で合理的配慮をご要望の際、
視覚障害等の理由で申し込みフォームからの申込みが難しい場合などは、
問い合わせ先までご連絡いただけますようよろしくお願いいたします。

問い合わせ先:
メール:gr0529kp@ed.ritsumei.ac.jp (代表:種村光太郎宛)

構成メンバー

種村 光太郎
山口 和紀
竹村 文子
山本 由紀子
村田 淳
大橋 一輝

活動歴

2023年度の活動はコチラ

農山漁村文化研究会(2024年度)

院生代表者

  • 長谷川 莉帆

教員責任者

  • 阿部 朋恒

概要

 本研究会は、日本および中国における農山漁村をはじめとする人口希薄地域(以下、農村と略記)の現状と課題に関心を寄せる院生が集い、各々が独自の学術的アプローチを涵養するための基礎的素養と洞察力を鍛えることを目的とする。
 「高齢化先進国」である日本において、なかでも農村地域の高齢化率はとりわけ高く、存続が危ぶまれる集落が遍在している。しかし一方で、地元住民自身が農村の活力をとり戻そうと模索しながら空き家や遊休施設(例:廃校)の活用を実践したり、都市の移住者がシカなどの害獣を素材にしたスモールビジネス(例:ジビエ料理店の開業)の起業を行うなど、新たな動きも見られるようになって久しい。このような日本における住民主体のボトムアップ型地域創生の取り組みは、今後、超高齢社会の到来をひかえる先進諸国の注目を集めている。
 他方、中国に目を向けると、都市部が急速な経済発展を遂げる中で、農村に暮らす人々の経済的困窮が是正されない状況が社会問題としてクローズアップされる。そのような、拡大する都市と農村との格差を是正すべく、農村へのエリート人材の派遣や、農林水産業の生産や流通にまつわるテクノロジーの刷新・先端化など、中国では国家主導での人材・技術の「大量動員」が行われ、ドローンやAI、天候操作などを駆使した世界に類を見ない生業が出現しつつある。
 本プロジェクトでは、以上のようにそれぞれの文脈において転換期を迎えている日中の農村の現況および研究動向について両国出身のメンバーが協働し比較検討を進めることで、従来にない研究視座を探る。加えて、類似した研究関心と異なる出自や学術的背景を持つ院生同士が集い、該当分野の基礎文献の講読や研究動向整理を共同で行うことで、効率的かつ網羅的に知識を身につけることができると考えている。
 さらに、身につけた知識を机上の空論としないためにも、現場との対話を通じて研究の視野を開いていく経験を積むことも企図している。具体的には、近畿・中国地方の農村地域に居住しつつ現地課題に日々向き合う実践家の方々との意見交流会を開催し、この勉強会の成果を報告すると共に、実地調査を通じた現場への共感的理解に基づいて、各々の研究メンバーが研究の視座を再構想するための機会とする。また、本研究科と研究協定を締結している雲南大学民族学与社会学学院の教員の来日に合わせ、2024年 11 月には日中の農村地域振興に関するワークショップの開催を予定している。

活動内容

2024年度 農山漁村文化研究会 特別講演会
「中国と日本、戦後の農村変容を読み解くための手法を学ぶ」

2024年度 農山漁村文化研究会 特別講演会「中国と日本、戦後の農村変容を読み解くための手法を学ぶ」 講師:河野正(国士舘大学21世紀アジア学部講師・中国農村研究者) 2024年11月17日(日)15:00-17:00 対面:立命館大学衣笠キャンパス 究論館プレゼンテーションルームA・B お問合せ 長谷川莉帆(共生領域1回生) gr0697hv@ed.ritsumei.ac.jp 学外からの参加希望者は要事前問い合わせ

【日時】
2024年11月17日(日)15:00-17:00

【参加方法】
可能な限り、事前に申込フォームからお申し込みください。
会場定員の関係で人数把握をしたいと思っています。
もちろん、当日とびいり参加も歓迎します。
※学外からの参加を希望される場合は、事前にお問い合わせください。

【会場】
立命館大学衣笠キャンパス 究論館Room A・B

【講演者紹介】
河野正 先生(国士舘大学21世紀アジア学部講師)
1982年生まれ。2006年東京都立大学人文学部卒業。2008年東京大学大学院人文社会系研究科修士課程修了。2016年東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。日本学術振興会特別研究員(PD)。東京大学社会科学研究所助教、東京大学アジア研究図書館助教を経て2023年より現職。

【参考文献】
河野正,2023,『村と権力――中華人民共和国初期、河北村落の村落再編』晃洋書房

【タイムスケジュール】
15:00-15:05 はじめのご挨拶(河野先生のご紹介) 阿部朋恒 准教授
15:05-15:55 ご講演 河野正先生『中国華北地方の近現代(仮)』
(休憩)
16:05-16:25 対談 『日中農村の通文化的比較(仮)』 河野正先生・阿部朋恒 准教授
16:30-16:55 ご講演・対談を受けてディスカッション
16:55-17:00 おわりに

【主催・共催】
[主催]:立命館大学大学院先端総合学術研究科院生プロジェクト「日中農村文化研究会」
[共催]:東京大学中国学イニシアティブ「現代中国の歴史的起源」部会

構成メンバー

長谷川 莉帆
曹 旭东
片平 深雪
近藤 千尋
勝又 栄政
岳 恒萱
丁 紫燕
閔 子軒

映画理論・映画テクスト研究会(2024年度)

院生代表者

  • 西川 秀伸

教員責任者

  • 千葉 雅也

概要

 本研究プロジェクトの目的は、映画理論と作品分析の方法論に対する理解を深めることである。本研究プロジェクトはこの目的を実現するために、新旧の映画理論を精読し、その学びを軸にして、改めて具体的な映画作品を鑑賞しようと考える。したがって、研究会の構成も映画理論編と作品鑑賞編に分かれることになるだろう。

 映画理論編は、三つに分かれる。第一に今年惜しくも亡くなった北米を代表する映画研究者デビッド・ボードウェルの著作群を講読する。ここでは主に映画と物語の関係を探ることになるだろう。第二にジル・ドゥルーズの『シネマ』1&2を講読する。ここでは、映画研究と哲学の橋渡しを探ることになるだろう。最後に日本の映画研究を牽引する蓮實重彦と木下千花の著作を講読する。ここでは日本の研究者と批評家が、欧米の理論や哲学をいかに自身の研究方法や理論に取り込んでいったかを探求することになるだろう。

 作品鑑賞編は今のところ、マーティン・スコセッシ監督の『沈黙』を予定している。スコセッシが遠藤周作の原作をいかにして映画メディアに翻案したかを精緻に検討することになるだろう。

 本研究プロジェクトでは、これら二種類の研究会を有益に実施するために、映画理論と映画批評に精通する、大阪大学名誉教授である上倉庸敬先生をゲスト講師として定期的に招聘する予定である。定期的に実施される研究会の内容は、プロジェクトメンバーの発表とそれに基づくディスカションである。

 本研究プロジェクトの意義は、次の三点に集約される。第一に、欧米や日本の映画研究の大きな流れを理解できる点である。第二に、ボードウェルや蓮實や木下そしてドゥルーズの理論と方法論を正確に理解することによって、これらの映画理論を精密に運用する能力を修得できる点である。第三に、本研究プロジェクトを通して、抽象的な次元の映画理論と具体的な次元の作品分析のための方法論の双方に精通することによって、映画研究の未来に資する能力を養うことができる点である。

活動内容

「ポストヒューマンと21世紀のゾンビ映画」
講師:福田安佐子
日時:1/17(金) 16時〜17時30分
場所:創思館303・304
参加方法:対面(事前申し込み不要)
使用言語:日本語

タイムスケジュール
16:00~17:00 福田安佐子「ポストヒューマンと21世紀のゾンビ映画」
17:00~17:30 質疑応答(その後、懇親会を予定しております)

講師/福田安佐子
国際ファッション専門職大学国際ファッション学部助教。専門は、ホラー映画史、表象文化論、身体論。単著に『ゾンビの美学:植民地主義、ジェンダー、ポストヒューマン』(人文書院)、共訳書にブライドッティ『ポストヒューマン』(フィルムアート社)、クロンブ『ゾンビの小哲学』(人文書院)がある。

主催:映画理論・映画テクスト研究会

構成メンバー

西川 秀伸
宮内 沙也佳
立川 宗一郎

日本現代批評史研究会(2024年度)

院生代表者

  • 立川 宗一郎

教員責任者

  • 千葉 雅也

概要

 本研究会は、日本現代批評史における重要文献の講読を通して、日本現代批評の歴史意識や現代の批評状況を把握することにより、批評的な問題意識を醸成することを目的とする。また、学術と批評の横断可能性を意識づけ、多角的な視点を身につけることで、学術/批評をまたぐ「知」のあり方を模索する。

 学術/批評にまたがる「知」に接近するために、日本現代批評に関心をもつ院生とともに文献講読を行う。講読する文献は、浅田彰『構造と力――記号論を超えて』(中公文庫、2023年、初版1983年)、福尾匠『非美学――ジル・ドゥルーズの言葉と物』(河出書房新社、2024年)とする。また、日本現代批評に関する講師を招聘し、公開研究会の実施を予定している。

 本研究会の意義は主に三つある。第一に、さまざまな学問分野の「知」を包含する日本現代批評史を追うことで、文学・哲学・ゲーム研究・メディア論等々の諸分野に関わる横断的な「知」を獲得すること。第二に、批評の歴史意識のなかに存する、学術に還元することを可能とする「知」を探ることを通して、批評的かつアクチュアルな問題意識を形成すること。第三に、さまざまなコンテクストが交差する日本現代批評の文献を講読することにより、複数的な思考を同時的に駆動するようなテクスト読解の能力を向上すること。以上の三点を通して、学術/批評の「知」を血肉化する。

活動内容

2024年度 日本現代批評史研究会 公開研究会
「『非美学』と批評史−否定神学批判のあとで−」

2024年度 日本現代批評史研究会 公開研究会「『非美学』と批評史−否定神学批判のあとで−」 講師:福尾匠 2024年11月14日(木)12:30-15:30 対面:立命館大学衣笠キャンパス 創思館 303.304 参加申込 https://forms.gle/3thDWehTqoatFNwS7

【日時】
2024年11月14日(木)12:30-15:30

【参加方法】
資料準備の都合上、事前にグーグルフォームからご回答ください。
https://forms.gle/3thDWehTqoatFNwS7

【会場】
立命館大学衣笠キャンパス 創思館 303.304

【講演者】
福尾匠 氏

【参考文献】
『非美学 ジル・ドゥルーズの言葉と物』河出書房新社.2024年

【企画趣旨】
福尾匠氏の近刊『非美学』についてご著者本人が講演。
学際的な研究活動を行う院生とともに、批評史における『非美学』の位置づけと、
「開かれているということを包摂の方便にしない」ような交流のポジティヴィティについて議論を深める。

【お問い合わせ】
立川宗一郎 lt1201xk@ed.ritsumei.ac.jp

構成メンバー

立川 宗一郎
TAN Lacheng
徳永 怜
間宮 琴子
今井 友哉

身体論・空間論研究会(2024年度)

院生代表者

  • 宮内 沙也佳

教員責任者

  • 千葉 雅也

概要

 本研究会の目的は、それぞれの理論に関する文献講読と公開研究会での意見交換を通して、研究会所属メンバーの博士論文執筆の切り口の発展、研究者としての活動の礎を築くことである。
 そのために本研究会では、以下の 3 点の内容および方法でおこなう。すなわち、1読書会の開催・文献の輪読、2映画作品の視聴、3院生の研究発表を通したそれぞれの研究の推進、4読書会で検討したテキストの著者や研究者を招聘した公開研究会の実施である。以上を通して、成果発信を定期的におこなっていく。
 VR や AI などのテクノロジーが急速に発達してきた現代において、身体論や空間論の研究分野においてもロボットやアバターに注目が集まっている。そこでは「自在」に動く身体を肯定する主張がなされている。そこで、再度「自在」に動かない身体=有限性を持つ身体・空間について改めて考えていく。本プロジェクトの意義は、多様な専門領域における身体論や空間論を探ることによって、身体の拡張性や有限性を捉えることである。身体論と空間論は緊密な関係にある。本研究のメンバーは、身体論や空間論の研究を背景とするメンバーから構成されている。
 また、所属メンバーは研究対象やルーツに母国以外が関与していることや、本研究会で検討する文献や招聘予定の研究者も国内外を想定していることから、本研究会内外において多様な視点を感受し、各々の研究に還元することにも意義がある。

活動内容

・イベント名 「言語・イメージ・ゆるい身体」
 ・講師 橋本一径
早稲田大学 文学学術院 文化構想学部教授。専門は表象文化論。論文に「最初で最後の写真論?——ロドルフ・テプフェールの「ダゲール板について」(一八四一)をめぐって 」(『美術フォーラム21』第47号 2023年6月号)。編著に『アニメ的人間:インデックスからアニメーションへ』(新曜社)。

 ・日時 2月8日(土) 13時〜15時15分

 ・場所 究論館プレゼンテーションルームB・C

 ・参加方法 対面(事前申し込み不要)

 ・使用言語 日本語

 ・タイムスケジュール
   13:00- 開会・趣旨説明
   13:05- プロジェクトメンバー発表(60分)     
   14:05- 休憩(5分)
   14:10- 講師によるコメント(30分)
   14:40- ディスカッション(30分)
   15:10- 閉会

 ・主催 身体論・空間論研究会

構成メンバー

宮内 沙也佳
KIM Kyohyun
談 拉成
王 裕森
松元 一織
徳永 怜
立川 宗一郎
朱 彦如
今井 友哉

記録を集める・残す・使う(2024年度)

院生代表者

  • 山口 和紀

教員責任者

  • 後藤 基行

概要

【目的と内容】本研究科では「アーカイブ」に関わるプロジェクトに参与する大学院生が多く在籍している。アーカイブズに関する基礎的な学習および、実践的な活動レベルでの知識を得ることが必要である。
 そこで本プロジェクトは、アーカイヴィングやアーカイブズに関わる基礎的な知識獲得を行うための勉強会およびフィールドワークを企画する。

【方法】アーカイブに関する勉強会を定期的に行う。学内の研究所・研究センター等におけるアーカイブズの試みを実地調査する。また、国内拠点のフィールド調査(法政大学内大原社会問題研究所研究アーカイブズを想定)も行う。学内での定期的なミーティングと外部機関での実地調査を組み合わせ、理論と実践の双方を経験する。

【意義】このプロジェクトにより、参加するメンバーはアーカイブ学の基礎から応用までの広範な知識を身につける。さらに、将来的にはこうした知識を活用し、自らの専攻分野における記録保持と情報管理の改善に貢献することが期待される。

活動内容

構成メンバー

山口 和紀
宮本 敬太
長谷川 莉帆
大橋 一輝

「障害者とjob&work」研究会(2024年度)

院生代表者

  • 竹村 文子

教員責任者

  • 後藤 基行

概要

【目的】本研究会は障害者の働くことに関する研究を行なっている院生が共同研究を通じて、各院生の博士論文執筆に必要な研究力を向上させることを目的とする。本研究会メンバーが研究対象とする障害種別は様々である。メンバーには視覚障害者、聴覚障害者、身体障害者、精神障害者、知的障害者に関する研究を行なっているものがいる。院生同士協働・討論する能力を培い、研究する力を身につける。各個研究を「job&work」のテーマのもとで編集し、より大きな成果へとつなげる実践的能力を培い、独創的な協働研究を組織できる研究者となる。

【方法・内容】毎月定例会を対面またはZoomで開催し、各院生の研究動向を発表し、討論を通じて学術研究の発展に寄与できる実践力を養う。また、研究目的に沿った研究者に講演してもらい、理解を深める。

【意義】障害種別によって合理的配慮を含めた労働条件、雇用方法は大きく異なる。修了生である駒澤により精神障害者の働き方について明らかにされたことは多い。しかし、同じ精神障害者でも異なる困難さを見いだすこともできる。また、現在、特別支援教育を受けている児童生徒や不登校児童の増加により障害者雇用の拡大は予想され、全労働人口減少の中、課題も多い。障害者雇用として、特例子会社、A型・B型就労継続支援事業所は急増し、ビジネスとして成長している。このような状況下、異なる視点で共同研究することにより、各自の研究もまた深まり実践的な能力が培われると考える。

【参考文献】駒澤 真由美 2022 『精神障害を生きる――就労を通して見た当事者の「生の実践」』,生活書院.

活動内容

 

この度、立命館大学先端総合学術研究科の院生プロジェクト「少数者と教育」研究会と「障害者とjob&work」研究会では、「障害者の働くを/から考える——福祉・就労・教育」というテーマで、下記の通り、合同シンポジウムを開催することになりました。

「働けない」「不安定な働き方」を巡る研究から、福祉・就労・教育をとらえなおすことを目的とし、
東京大学の近藤武夫先生、明治学院大学の猪瀬浩平先生、立命館大学の小川さやか先生にご登壇いただきます。

労働と教育には深い相互関係があり、単独でそれぞれのテーマに分けて開催するよりも、より深い知見を得ることが可能になると考えます。
ご関心のある方は是非ご参加いただけますと幸いです。
よろしくお願いいたします。

〇概要
「一人前」の仕事ができない。
だから、いくつも・たくさんの仕事を、仲間と柔軟に乗りこなす。細かく分ける。
多様な人たちと一緒に耕す。
「働けない」「不安定な働き方」を巡る研究から、福祉・就労・教育をとらえなおす。

本シンポジウムは、近代の「能力主義的」な、「一人前の仕事」に対して、
オルタナティブな働き方を提示する研究者たちと、今日の障害者にとっての福祉・就労・教育をとらえなおすことを目指します。

〇開催日時
2025年1月25日(土) 14時〜17時

〇開催場所
立命館大学衣笠キャンパス創思館1Fカンファレンスルーム
現地およびZoom(ハイブリッド)

〇参加対象者・定員
関心のある方。
現地定員:90名
Zoom定員:200名

〇講師・登壇者情報
・近藤武夫
東京大学先端科学技術研究センター教授。博士(心理学)。文部科学省 「障害のある学生の修学支援に関する検討会」委員などを歴任。一般社団法人 特別支援教育士資格認定協会理事。SISL(東京大学 先端科学技術研究センター 社会包摂システム分野)研究プロジェクトにて活動。
・猪瀬浩平
明治学院大学教養教育センター教授。博士(社会人類学)。専門は文化人類学。著書に『分解者たち——見沼田んぼのほとりを生きる』(生活書院)、『野生のしっそう:障害、兄、そして人類学とともに』(ミシマ社)など。
・小川さやか
立命館大学大学院先端総合学術研究科教授。博士(地域研究)。専門は文化人類学、アフリカ研究。代表作に『都市を生きぬくための狡知——タンザニアの零細商人マチンガの民族誌』(世界思想社)、『「その日暮らし」の人類学——もう一つの資本主義経済』(光文社新書)など。

○参加方法
以下の申込フォームよりお申し込みください。
https://forms.gle/vaMka9n5g119f9Su5
※申込締切:2024年1月18日(日)まで

○情報保障について
手話通訳、文字情報保障

○合理的配慮について
上記の情報保障以外で合理的配慮をご要望の際、
視覚障害等の理由で申し込みフォームからの申込みが難しい場合などは、
問い合わせ先までご連絡いただけますようよろしくお願いいたします。

問い合わせ先:
メール:gr0529kp@ed.ritsumei.ac.jp (代表:種村光太郎宛)

構成メンバー

竹村 文子
栗川 治
宮本 敬太
大矢 雅之
篠田 紀一郎
種村 光太郎
山口 和紀
山本 由紀子
原田 武彦
大橋 一輝
田場 太基

フランス現代思想研究会(2024年度)

院生代表者

  • 蛭間 直人

教員責任者

  • 千葉 雅也

概要

 本研究プロジェクトの目的は、フランス現代思想に関する文献を用いた購読会を通じて、分野の知見を深め、研究者としてのスキルアップを目指すことである。具体的な内容としては、2024 年 6 月から 2025 年 2 月にかけて、関連研究を行うメンバーによる月例の研究会を実施し、文献の購読とレジュメ作成を行い、発表形式で購読会を進めていく。さらに、秋学期以降は公開研究会を開催し、フランス現代思想を専門とする講師を招聘し、より専門的な講義とディスカッションを行う。
 本研究プロジェクトの意義は、以下の通りである。
1. フランス現代思想分野における知見の深化:文献の購読とディスカッションを通じて、フランス現代思想の理論やアイデアについてより深い理解を得ることができる。
2. 研究者としてのスキルアップ:レジュメ作成や研究発表を通じて、研究方法や論理的思考力など、研究者として必要なスキルを向上させることができる。
3. 学外講師との交流:公開研究会を通じて学外の専門家と交流し、専門的な知識や視点を得ることができる。
※本研究会はA:研究力向上型・C:成果発信型で採択

活動内容

公開研究会:カウント・イン ミシェル・フーコーの「安全装置」と現代
公開研究会テーマ><br />  カウント・イン ミシェル・フーコーの「安全装置」と現代<br />  <開催日時・会場><br />  2025年2月22日(土)15:00~17:00 (開場:14:30)<br />  会場:立命館大学 衣笠キャンパス 究論館 プレゼンテーションルーム<br />  ゲスト講師:箱田徹先生(神戸大学 大学院国際文化学研究科 グローバル文化専攻 准教授)<br />  講演「ポスト福祉社会のフーコー統治論 新たな展開を求めて」

<開催日時・会場>

2025年2月22日(土)15:00~17:00 (開場:14:30)

会場:立命館大学 衣笠キャンパス 究論館 プレゼンテーションルーム
ゲスト講師:箱田徹先生(神戸大学 大学院国際文化学研究科 グローバル文化専攻 准教授)

講演「ポスト福祉社会のフーコー統治論 新たな展開を求めて」

<公開研究会概要>

ミシェル・フーコーが提唱した、「安全 Sécurité」という概念。これは、技術の発展が進む1970年代に、フーコーが1977年の講義『安全・領土・人口』の中で詳述したものです。この概念は、「主権」としての権力、「規律」としての権力がそれぞれ登場したのち、統計的手法に基づく人間の管理技術の発展によって新たに出現した権力の形態を指しています。この「安全(装置)」は、「主権」のように特定の統治者が個々人を支配するわけでもなく、「規律」のように権力を各人の中に内面化して自らを律するのでもありません。それは、単なる統計的なデータを用い、社会全体の調整を図るものであり、人間の生はこの緩やかな調整の全面化の中に浸されることになります。

フーコーのこの講義からは約50年が経過した現在においても、この「安全(装置)」という権力形態は依然として効力を失ってはいません。現代社会では、人間は統計的なデータの一部として「カウント・イン」され、収入やSNSのフォロワー数といった統計データに過剰に依存する傾向が見られます。このような現状を踏まえ、再び「安全(装置)」に関する議論が求められるのは明らかでしょう。それでは、この「安全(装置)」に対して、どのような抵抗、便乗、または脱構築が可能なのでしょうか。

さらに重要な問いとして、新たな技術であるAI、特にChatGPTの台頭と「安全(装置)」との関係性が挙げられます。この技術は「安全(装置)」の一部として捉えるべきか、それとも新たな権力形態の予兆と見るべきか。これも議論の余地があります。

フーコーの死後40年を記念し、今回の公開研究会では、フーコー研究者である箱田徹先生(神戸大学 大学院国際文化学研究科 グローバル文化専攻 准教授)をお招きし、「安全(装置)」と「現代」について考えます。そして、「安全(装置)」による「カウント・イン」を、これからの時代を生きる=演奏するための「カウント・イン」に読みかえ、そのように軽快なリズムを鳴らすことを目指します。

〇参加申し込み

イベント当日までに下記フォームから参加の申し込みをお願いします。
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLScRMm1dDqwG2SQmB8_ivfJUXzHfYHTb0jojmDxbys_maJIvcg/viewform?usp=header

〇主催
立命館大学大学院 先端総合学術研究科 「フランス現代思想研究会」
問い合わせ:蛭間直人
gr0529sf@ed.ritsumei.ac.jp

構成メンバー

蛭間 直人
北村 公人
呉 海鷗(ゴカイオウ)
立川 宗一郎
徳永 怜
濱中 健太
小野 瑞佳

活動歴

2023年度の活動はコチラ