2022年度 博士論文/博士予備論文構想発表会
先端研では、博士予備論文(修士論文に相当)・博士論文の構想発表会を行なっています。
構想発表会は、プロジェクト型教育・学際的研究を推進する先端研ならではの、多様な関心をもつ院生・教員・研究者らが集う貴重な機会です。ぜひこの場に参加して、先端研の魅力を体感してみてください。
2022年度 秋学期 博士論文/博士予備論文構想発表会
論題・スケジュール
開催概要
日時:2023年2月8日(水)
会場:立命館大学 衣笠キャンパス 創思館カンファレンスルーム
2023年2月8日(水)
- 13:00~13:50 <博士>(公共)「教育・労働における「多様性と包摂」を阻むもの──日本の障害教員運動の歴史から」
- 14:00~14:50 <博士>(公共)「生活の場における看護師の専門性」
- 15:00~15:35 <予備>(表象)「“動かない”肥満表象の再検討」
2022年度 春学期 博士論文/博士予備論文構想発表会
論題・スケジュール
開催概要
日時:2022年7月23日(土)~7月25日(月)
会場:立命館大学 衣笠キャンパス 創思館カンファレンスルーム
2022年7月23日(土)
- 10:40~11:15 <予備>(公共)「外国人労働者問題と外国人技能実習制度の変遷─制度の展開と受容のされ方─」
- 11:20~11:55 <予備>(表象)「『監獄の誕生』における監獄の失敗とその存続――監獄の批判者達の真理と権力への従属に着目して――」
- 12:05~12:40 <予備>(公共)「知的障害者の高校進学-北村小夜のたたかい-」
- 14:10~14:45 <予備>(表象)「九鬼の「可能性」に着目し、九鬼哲学の美と目的の両義性を統合的に解釈する」
- 14:50~15:25 <予備>(公共)「聴覚障害学生支援は、聾者の困難をどのように軽減させているのか」
- 15:35~16:10 <予備>(共生)「人間同士の触れ合いにおける性的快楽の生成」
- 16:20~17:10 <博士>(公共)「希少性皮膚難病を抱えて生きるということ―表皮水疱症者たちを巡る社会構造の実態―」
2022年7月24日(日)
- 10:00~10:35 <予備>(生命)「中国における血液政策と組織の変遷(1949-2020)」
- 10:40~11:15 <予備>(公共)「子供を産む意味 -中国の代理母を例として-」
- 11:25~12:15 <博士>(生命)「近代日本における結核管理――病原菌と人間との関係をめぐる歴史研究」
- 13:45~14:20 <予備>(公共)「トランスジェンダー男性の子を持つ親の“経験”と社会的背景」
- 14:25~15:15 <博士>(公共)「神経難病の人びとの暮らし――入所施設を出て地域で暮らす」
2022年7月25日(月)
- 10:00~10:35 <予備>(公共)「本邦における障害学生の高等教育機関での就学」
- 10:40~11:15 <予備>(表象)「擬情語に現れる感情表現と身体性の消失――「ワクワク」と「イライラ」を例に」
- 11:25~12:00 <予備>(公共)「中国における軽度肢体不自由者のアイデンティティ、生きづらさについて」
- 12:05~12:40 <予備>(表象)「将棋のハンデ戦「駒落ち」のあり方と対等性」
- 14:10~14:45 <予備>(表象)「中国における日本のテレビドラマの受容─コンテンツの輸入からリメイクへ─」
- 14:50-15:25 <予備>(公共)「ゆらぎの中の支援者 精神疾患を通じて」
- 15:35-16:25 <博士>(共生)「韓国ソウルの在韓日本出身者コミュニティに関する考察―ライフスタイル移住の観点から―」
- 16:30-17:05 <予備>(公共)「紙袋から出されるゆくえ―『#NoBagForMe』プロジェクトを事例にして―」
- 時間配分
<博士論文構想発表会> 発表時間30分、質疑応答20分(合計50分)
<博士予備論文構想発表会> 発表時間15分、質疑応答20分(合計35分) - 発表は、論文のテーゼ・論旨に絞って、簡潔かつ明確に述べること。
- 発表時のレジュメ(A3片面印刷1枚)を、必ず予め50部用意して持参すること。
博士論文の構想発表でもA3判両面1枚までに必ずおさめてください。
また、レジュメのデジタルデータ(.docx あるいはPDF)をメールに添付して提出してください。
提出期限:7/21(木)17:00
送り先:doku-ken[at]st.ritsumei.ac.jp([at]を半角@に変更)
件名:「先端研 構想発表会資料(氏名)」としてください。
特に決まった書式はありません。 - レジュメには以下の事項を簡潔に記載すること。
・論文の主旨
・論文の章立て
・研究史上の意義
・主要参考文献
・必要なら図表 - 発表用原稿またはメモはレジュメとは別に各人において用意すること。
- 発表者で欠席する場合は、必ず件名に「先端研」と入れて下記まで連絡してください。
doku-ken[at]st.ritsumei.ac.jp ([at]を半角@に変更)
- 発表用に使用する機器類については事前に事務室に申し出ること。
- やむを得ぬ事情のあるときを除き、先端総合学術研究科の大学院生は全員参加を原則としています。特に新入生の方は、次年度の発表に向けて(授業との重複を除き)ご参加ください。
注意事項
発表者の方へ
先端研院生の方へ
過去の博士論文・博士予備論文構想発表会
2021年度 博士論文・博士予備論文構想発表会
2020年度 博士論文・博士予備論文構想発表会
2019年度 博士論文・博士予備論文構想発表会
2018年度 博士論文・博士予備論文構想発表会
2017年度 博士論文・博士予備論文構想発表会
2016年度 博士論文・博士予備論文構想発表会
2015年度 博士論文・博士予備論文構想発表会
2014年度 博士論文・博士予備論文構想発表会
2013年度後期 博士論文・博士予備論文構想発表会
2013年度前期 博士論文・博士予備論文構想発表会
2012年度後期 博士論文・博士予備論文構想発表会
2012年度前期 博士論文・博士予備論文構想発表会
2011年度後期 博士論文・博士予備論文構想発表会
2011年度前期 博士論文・博士予備論文構想発表会
院生代表者
- 荒木 慎太郎
教員責任者
- 竹中 悠美
概要
本研究プロジェクトは、映画と近年研究され始め活発に研究されるようになったテレビドラマに焦点を当てる。
映画とテレビドラマが相互に影響しながらどのように発展してきたのか、またテレビドラマが独自の価値を獲得し映画とは違うものとして成立していくのかを検討し、映像作品を脚本や監督・演出といった制作の面から分析する能力を向上させることを目的とする。
本研究会は映像作品を鑑賞し、ディスカッションを行うことが基本的な様式となる。多様な視点からディスカッションを行うことで、専門を超えて新たな気づきが生まれることに期待する。講師を招聘し、専門的な分野からの意見とご教授をいただくことで、映像作品を理論・実践の面から検討することも行う。ゲスト講師は映画美学と映画実践に精通する大阪大学名誉教授の上倉庸敬先生を予定し、制作分野など他のゲスト講師の方にも交渉中である。
映画の都市である京都は、歌舞伎などの大衆娯楽とも関係性が深い。映画もその始まりは劇場のひとつの演目であり、娯楽文化は鑑賞する環境変化の歴史でもある。テレビの登場と普及によってお茶の間を中心とした娯楽鑑賞が中心となり、かつて娯楽の中心であった映画館は減少し、大型化していく。小さな映画館の運営はコロナ禍によってさらに厳しいものとなるが、近年「コミュニティシネマ」など、新たな映画との関りや鑑賞の形が提案されている。映像作品を分析する能力を向上させるとともに、京都という劇場文化の残る都市の利を活かし、鑑賞の様式についても検討することで、映像文化についての見識を広めていく。現在、地域コミュニティーとシアターの新しい形について検討するために、京都芸術大学大学院芸術研究科准教授の今井隆介氏と西舞鶴のミニシネマを調査する計画がある。京都映画祭や大阪アジアン映画祭など、映画と劇場に触れることのできる映画祭への参加も検討する。
本研究会の意義は、映画とテレビドラマを、脚本や監督の作風といった制作の面から検討することである。加えて、見るという映像文化における鑑賞とその様式に注目することは、劇場・茶の間・個室・スマートフォンと個人視聴の性質を強めていく鑑賞環境とスクリーン、そのショットの関係など作品を分析し検討するための糸口になる。
活動内容
・第一回研究会
日時:2023年9月28日(木)16時~19時
場所:創志館408
内容:上倉庸敬先生(大阪大学名誉教授)を招聘し、デヴィット・ボードウェル『小津安二郎 映画の詩学』第三章の読書会を行った。継続して購読を行うために、整理を行いながら、第三章の精読を行った。
・京都映画祭「中島貞夫監督 追悼企画」鑑賞会
日時:2023年10月13日(金)13時20分~20時
場所:よしもと祇園花月劇場
内容:よしもと祇園花月劇場にて行われた京都映画祭に参加し、「中島貞夫監督 追悼企画」の『893愚連隊』『狂った野獣』『日本暗殺秘録』の鑑賞を行った。劇場という鑑賞環境と鑑賞の様式を体験することで、鑑賞環境やスクリーンの重要性を再認識することができた。
・第二回研究会
日時:2023年10月26日(木)16時~19時
場所:創志館408
内容:上倉庸敬先生(大阪大学名誉教授)を招聘し、デヴィット・ボードウェル『小津安二郎 映画の詩学』第四章の読書会を行った。ボードウェルの指摘する、小津作品のシュジェートとファーブラの組織化の原理について理解を深め、上倉先生にご教授をいただいた。
・第三回研究会
日時:2023年12月7日(木)16時~19時
場所:創志館412
内容:上倉庸敬先生(大阪大学名誉教授)を招聘し、デヴィット・ボードウェル『小津安二郎 映画の詩学』第五章の読書会を行った。ボードウェルの指摘する、小津作品の「Style 文体」の外在的規範・内在的規範を中心に理解を深め、上倉先生にご教授をいただいた。
・第四回研究会
日時:2023年12月21日(木)16時30分~19時
場所:創志館408
内容:イングマール・ベルイマン監督『仮面/ペルソナ』(1960)を鑑賞し、ディスカッションを行った。スーザン・ソンタクのペルソナ論を扱いながら、議論が展開された。
・第五回研究会
日時:2024年2月8日(木)16時~19時
場所:創志館312
内容:上倉庸敬先生(大阪大学名誉教授)を招聘し、デヴィット・ボードウェル『小津安二郎 映画の詩学』第六章の読書会を行った。ボードウェルの指摘する、小津作品の外在的規範・内在的規範を引き続き扱いながら、ボードウェルの述べる自由と秩序について理解を深め、上倉先生にご教授をいただいた。
成果及び今後の課題
本研究会を通じて、読書会においてはデヴィット・ボードウェル『小津安二郎 映画の詩学』で論じられている映像論(小津論)について理解を深めることができた。映画の題材や主題、スジェートとファーブラ、スタイル(文体)など、ボードウェルの指摘する小津映画に対する理解を深めることで、映画作品を読み解く力を養うことができた。映像作品の鑑賞会においては、学内での作品鑑賞に加えて京都映画祭の上映に参加することができ、個人視聴とは異なる劇場での鑑賞の形態には、本来笑うはずのない場面で笑いが起こるなどの劇場という場の観客間で共有される特殊な見られ方があることが改めて分かった。読書会と作品鑑賞を行うことで、テクストと作品のヴィジュアルの双方を参照しながら映像理論の理解を深めることができた。
京都映画祭の上映会に参加し、劇場という鑑賞環境やその観劇様式を調査することはできた。しかし、計画していた研究会としてコミュニティシネマを調査し、映画の上映と楽師によるピアノ伴奏という無声映画の観劇様式に触れ鑑賞環境について議論と検討を行うことはできなかった。
メンバーと意見交換を行いながら、映画やテレビドラマという垣根にとらわれず、映像作品と映像理論についての理解を深めることを目的とし、一定の成果を得られたと考える。研究会の活動を通じて、メンバーそれぞれが自身の研究分野と映像文化の関係性を明確化して研究活動に取り組んでいくことで、研究会の質の向上が期待できるという今後の活動と取り組み方の気付きを得た。今後はメンバーの研究内容についても意見交換を行い、理解を深めながら、映画やテレビドラマといった映像作品についての理解を深め、実践も行えるように研究活動を行っていきたい。
構成メンバー
荒木慎太郎
西川秀伸
嶋津麻穂
宮内沙也佳
活動歴
2022年度の活動はコチラ
院生代表者
- 藤本 流位
教員責任者
- 竹中 悠美
概要
本研究プロジェクトの目的は、現代美術に関する文献を用いた講読会を通して、とりわけ2000年代以降により社会的実践として問われている現代美術の在り方についての知見を深めるということである。具体的な内容については以下の通りである。2023年6月から2024年2月にかけて美学・芸術学に関連した研究を行なっている院生メンバーを中心として月2回の定期研究会を開催する。定期研究会では、同院生プロジェクトの昨年度の講読文献であった『ラディカント』(2022年、フィルムアート社)の著者であるキュレーターのニコラ・ブリオーによる『The Exform』(2016年、Verso)を取り上げ、その文献内容をまとめたレジメを用いた発表形式で講読会を進めていくものとする。さらに、この定期研究会と並行して、関西圏の美術館・アートフェアを対象としたフィールド調査と、その調査報告会を実施し、より実践的な場における研究者としての審美眼を訓練していくものとする。本研究プロジェクトの意義は、美学・芸術学を中心とする、多様な研究対象からなる学際的な院生メンバーによって、2000代以降の現代美術のなかで注目される「ソーシャル・プラクティス」としての現代美術作品とそこで駆動している理論についての議論を行なうことである。これによって、院生メンバーのそれぞれの研究領域のなかで前提とされる理論や先行事例を共有することで、各専門分野だけにとどまることのない幅広い知見の獲得を狙っていく。また、それに加えて、講読会・報告会を通したレジメの制作・調査報告発表などの、全般的な研究発表に必須とされる実務的な演習を重ねることで研究者としてのスキルアップを目指すことも本研究プロジェクトの意義の一つである。
活動内容
第一回研究会
日時: 2023年7月18日
場所: オンライン(Zoom)
内容: ニコラ・ブリオー『The Exform』イントロダクションの講読。
第二回研究会
日時: 2023年10月28日
場所: 国立京都国際会館
内容: アートフェア「Art Collaboration Kyoto」のフィールド調査。
第三回研究会
日時: 2023年10月30日
場所: 究論館プレゼンテーションルームC
内容: 第二回研究会で実施したフィールド調査についての検討会。
第四回研究会
日時: 2024年1月6日
場所: 究論館1F
内容: ニコラ・ブリオー『The Exform』第1章の講読。
成果及び今後の課題
本研究会は、現代美術、デジタルメディア、現代思想などの領域を研究対象とする院生メンバーが集まったことから、文献講読、フィールド調査の検討会においても、それぞれの関心が切り口となるような事例、コメントを議論に取り入れることができたと言える。ブリオーの文献資料もフランス現代思想の複雑な文脈に依拠した章があったことから、専門的な知見を持つ院生メンバーとともに講読を実施できたことは非常に有意義であった。しかしながら、講読会にせよフィールド調査にせよ、スケジュール調整などの都合によって昨年度よりも研究会の開催数が減少してしまった。そのため、研究会のなかで文献講読を定期的に実施するためのスケジュール調整に工夫が必要であると思われる。
構成メンバー
藤本 流位
Kyo KIM
北村 公人
高畑 和輝
活動歴
2022年度の活動はコチラ
院生代表者
- 北村公人
教員責任者
- 小泉義之
概要
本研究プロジェクトの目的は、フランス現代思想に関する文献を用いた購読会を通じて、分野の知見を深め、研究者としてのスキルアップを目指すことである。具体的な内容としては、2023年6月から2023年2月にかけて、関連研究を行うメンバーによる月例の研究会を実施し、文献の購読とレジュメ作成を行ない、発表形式で購読会を進めていく。さらに、秋学期以降は公開研究会を開催し、フランス現代思想を専門とする講師を招聘し、より専門的な講義とディスカッションを行う。
本研究プロジェクトの意義は、以下の通りである。
1. フランス現代思想分野における知見の深化:文献の購読とディスカッションを通じて、フランス現代思想の理論やアイデアについてより深い理解を得ることができる。
2. 研究者としてのスキルアップ:レジュメ作成や研究発表を通じて、研究方法や論理的思考力など、研究者として必要なスキルを向上させることができる。
3. 学外講師との交流:公開研究会を通じて学外の専門家と交流し、専門的な知識や視点を得ることができる。
活動内容
<公開研究会テーマ>
ドゥルーズ+ガタリのマイナー文学的戦略から問う人文知の「出口」
<開催日時・会場>
【第一弾:思想編】
2023年11月5日(日)13:00~16:00(開場:12:30)
会場:立命館大学 衣笠キャンパス 究論館 プレゼンテーションルーム
ゲスト講師:小林卓也氏(ソトのガクエン代表)
講演「知と実践を(再び)結びつけるもの ——ドゥルーズ+ガタリ『カフカ』的マニエリズムから」
【第二弾:創作編】
2023年11月25日(土)13:00~16:00(開場:12:30)
会場:立命館大学 衣笠キャンパス 究論館 プレゼンテーションルーム
ゲスト講師:髙橋耕平氏(アーティスト)
講演「切断のあとで ——2000年代の自作をめぐって」
<公開研究会のコンセプト>
【第一弾:思想編】
冷戦の終結以降の時代において、人文知は実践的な価値を見失い、今日では役立たない知識に成り下がったと見なされることも少なくありません。そのような現代の状況下でもなお人文系の道を選ぶ者は、この時代の変化に適応するための生存戦略を探らざるを得ないと言えるでしょう。
つまり、私たち大学院生は、「博士論文を書く」という目標をクリアするだけにとどまらず、「その研究内容を社会にどのように還元するか」を考えることが求められているわけです。
そのような時代状況の要請に応えるのはもちろんのことですが、さらに私たちが所属しているのは一般的な大学院ではなく、「先端総合学術研究科」です。したがって、一般的な大学で行われているような、研究テーマとなる分野の専門的かつ最新=「先端」の情報に精通するだけでなく、情報を領域横断的=「総合」的に判断する能力を鍛え、さらにそこから新たなフロンティア=「出口」(D+G『カフカ』でキーワードとなる語です)を開拓し、社会的な実践を思考することが、ここ、「先端」「総合」学術研究科では求められているわけです。
では、そのような「出口」を見出すにはどうしたら良いのか。
今回の公開研究会第一弾では、ドゥルーズ研究者として現在は京都産業大学で教鞭を執りつつも、その「ソト」で、私塾「ソトのガクエン」を運営している小林卓也さんをお呼びし、自身の「出口」である私塾の活動と、研究の関係性についてお話ししていただきます。その上で全体討議として、これまでに研究会で行った『カフカ』の議論をもとに、「自身の研究成果を社会的に役立つ形でどのように活用していくのか」という問題を、さらに深掘りします。
【第二弾:創作編】
ドゥルーズとガタリは『カフカ』において、カフカの創作について議論しており、特に、(例えばラカンにおける「ファルス」のような)特権的な意味作用から逃走すること、つまりは、(芸術)作品に対して一つの固定的な解釈を生み出そうとするあらゆる試みを妨害することがひとつのテーマになっています。
ドゥルーズとガタリによれば、カフカ作品というのは、例えば「カフカ=不条理文学」といったレッテルを貼り、一義的に解釈することを求めているのではないと言います。そうではなく、カフカ作品が私たちに提案しているのは、むしろ「解釈」という凝り固まった意味作用の結びつきをほどき、新たな「地図」を見つけ出す実験をしている(=「マイナー文学」と呼ばれます)と言うのです。
このドゥルーズとガタリのカフカ読解から、本研究会で議論になったのは、カフカのような「一義的な解釈や意味作用からの逃走」という実践は、カフカ以外であればどのようなものが当たるのか? また、この戦略というのは実際にはどのように応用可能か?ということです。ここでは特に、時間芸術である映像作品に着目し、議論しました。
そこで、今回の公開研究会第二弾では、京都を拠点に活動するアーティストの高橋耕平さん(映像を反復・複製することから発生するズレをテーマにした作品で知られる)をお呼びし、高橋さんのご自身の作品や、創作活動のプロセス等についてレクチャーをしていただきます。その上で、これまでの研究会で行ってきた『カフカ』の議論をまとめて発表し、カフカ以外の「マイナー文学的戦略」として、現代ではどのような「創作」が可能なのか、実際の芸術実践の側面から探ります。
〇参加申込
イベント当日までに下記フォームから参加の申し込みをお願いします。
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLScnFb2lQ05x98syHyLMMB6_6Da-GkAVkbbSAVz1C_MPdZGA4Q/viewform
〇主催
立命館大学大学院 先端総合学術研究科 「フランス現代思想研究会」
問い合わせ:北村公人
gr0583pr@ed.ritsumei.ac.jp
成果及び今後の課題
2023年度の課題としては、研究会の議論が、「フランス現代思想」を研究する者の中だけで終わってしまったことである。今後は、先端研に所属する、多様なバックグラウンド、そしてさまざまな研究を行っている院生とのコミュニケーションを強化していき、多角的な視点を得ながら、本研究会の掲げる目標(フランス現代思想と社会との接点を見出すこと)を達成していきたい。
また、2023年度に実施した月例の研究会、公開研究会で得られた成果を、(院生プロジェクト「C:成果発信型」に申請し)「フランス現代思想研究会機関誌」(仮)としてまとめ、その成果を発信する予定である。
構成メンバー
北村 公人
立川 宗一郎
徳永 怜
濱中 健太
蛭間 直人
(※2025年1月28日に文言を一部修正しました)
院生代表者
- 澤岡 友輝
教員責任者
- 立岩 真也
概要
【目的】
聴者とろう者、健常者と障害者(盲ろう者・高次脳機能障害者など)、日本語母語話者と非日本語母語話者などのように多数派と少数派のコミュニケーションには方法や形態の異なりが存在するだけでなく、マジョリティ側の方法に強制させられたり、また、それにより情報アクセスの制限や自分の思いや意見を述べる機会の減少など、マイノリティが抑圧されたりしてしまうことがある。マイノリティとマジョリティのコミュニケーションにおいて、自己決定がどのようになされているのか、社会の構成員としてどのように主体的に参加しているのか、さらにコミュニケーションの「平等化」や「民主化」(野口2016)の達成を志向していくには何が必要でどうすればいいのか。ディスコミュニケーション(コミュニケーションとして機能しているが、それが「平等化」「民主化」されていないもの)の事例を通して、コミュニケーションとはどのような行為/現象なのかについて考えていきたい。
【内容・方法】以下の2点である。1. 研究目的に沿った研究者に講演をしてもらい、コミュニケーションの様々な方法や状況の課題について理解を深めていく。講演会の内容は録音・録画を行い、『遡航』に講演録を掲載する。2. 研究会メンバーが各自のテーマでの研究を発表する。査読付き論文に向けた作業だけでなく、査読に出せない資料、レポートなどを遡航に掲載することも目的とする。さらに、3年後に書籍刊行を目指す。
【意義】本研究会の意義は、コミュニケーションに関する障害や、他者とのコミュニケーションにおいてもどかしさを感じる状況にいる人々に着目する研究者が集まり、意見の交換や報告を経て各自の研究力向上/学術研究に寄与できるという意義を持つ。
【参考】Goffman, E. (1959) The Presentation of Self in Everyday Life. Doubleday & Company.: 石黒毅(訳)(1974)行為と演技――日常生活における自己呈示.誠信書房.
野口裕二 (2016) 医療コミュニケーションの変容――平等化と民主化をめぐって, 保健医療社会学論集, 27(3), 3-11.
活動内容
「ただ存在するだけでいい/他者との関わりの 中に自分の生きるをつないでいく」
開催日時・会場
2023年9月30日(土)14:00~16:00
会場:Zoom ※13時45分以降入室可能
※文字情報保障を行います
講師:福田暁子(ふくだ あきこ)氏
東京在住の盲ろう者。現在内閣府障害者政策委員会委員、東京女子大学非常勤講師(「ダイバーシティとコミュニケーション」)などを務める。コミュニケーション方法は触手話が中心。使用文字は点字。多発性硬化症のため人工呼吸器と電動車イスを使用。
<講演会の内容>
見えず聞こえない盲ろう者は他者とのコミュニケーションをどのように経験しどのように捉えているのか。通訳・介助者やヘルパー、他の障害者との関わりの中で感じることを福田氏に語ってもらう。
<プログラム>
14:00 開会挨拶 大谷いづみさん(立命館大学生存学研究所 所長)
14:05 講演 講師・福田暁子さん
テーマ「ただ存在するだけでいい/他者との関わりの中に自分の生きるをつないでいく」
質疑応答
15:55 閉会挨拶 飯田奈美子さん(立命館大学衣笠総合研究機構 専門研究員)
〇参加申込
9月28日(木)までに下記フォームから参加の申し込みをお願いします。
https://forms.gle/uCxxd5xrg3FhAHEQ6
登録後、ZoomのURLを後日メールにて送付いたします。
成果及び今後の課題
毎月研究会を実施し、各メンバーの研究計画・執筆中の論文について意見交換や議論・相談をすることができた。また、盲ろう者を対象とした博論本の輪読会を行い、盲ろう者に関する基礎的な知識だけでなく、調査の方法や博士論文の書籍化についても学習した。年度内に二回行った公開研究会では研究会メンバーの知識を向上したうえで、研究会外部へも盲ろう者・失語症者に関する知識の普及・増進を図ることができた。コミュニケーションに関する企画の立案・プロジェクトの運営を通して得た、誰もが情報の授受を保障されている企画の在り方と計画遂行能力を生かして、今後は、各メンバーによる研究助成金申請や研究科への交渉などで情報保障にかかる費用を捻出あるいは確保することを課題とする。
構成メンバー
◎澤岡 友輝
種村 光太郎
森下 摩利
石川 真紀
院生代表者
- 福田浩久
教員責任者
- 小川さやか
概要
理性の優位を身体や情動といった観点から揺るがせようとする知的転回(ダマシオ 2005)や、デジタル革命により複合化したメディア状況を受けて、学術の対象と手法は従来のテクスト的・理性的なものを超えて、マルチモーダルかつ情動的なものを含むようになっている。日本で言えば、東京外大TUFiSCo、民博TRAJECTORIAといった機関、ジャーナルの創設が象徴的であり、マリノフスキーの時代からフィールド経験の全体性と格闘してきた人類学はその中で主要な参照点となっている。しかし、日本ではそうした動きが個々のプレイヤーに任されることで自由闊達さを担保してきた一方で、制度化されず、大きな動きにならないという弱点もあった。それに対して、アメリカでは、映像・マルチモーダル人類学に特化した機関や教育課程を設立し、積極的に制度化し、人類学の変革に貢献してきた。そこで、本プロジェクトでは、アメリカのマルチモーダル人類学の中心地のひとつであるペンシルベニア大学のファン・カストゥリジョン博士を7月に、デボラ・トーマス教授を1月に招聘し、それぞれシンポジウムを開くことで、日米双方の異なる学問風土からマルチモーダリティについて考察する。
活動内容
交渉するマルチモーダル人類学 ― 映像とテクストの〈あいだ〉、人類学知と先住民知の〈あいだ〉
日時:2023年7月9日 13:00-17:50
第1部:映像上映 (開場12:30) 13:00-14:00
第2部:ディスカッション 14:30-17:50
会場:立命館大学衣笠キャンパス 充光館シアター型教室(JK001)
〒603-8346 京都府京都市北区等持院北町56−1
https://goo.gl/maps/QFZXrxDPTEv2w1vS6
予約:https://forms.gle/Mt2mWpM1DqJk224VA(応募多数の場合は先着)
※使用言語は英語だが、日本語の同時通訳が入る。
同時通訳希望の方は申し込みフォームにチェックをお願いします。
成果及び今後の課題
7月、1月双方のイベントとともに盛況のうちに終え、多くの気づきと学びを得ることができた。7月の会ではカストゥリジョン博士が現在執筆中の単著と映像がどう相互に絡み合いながら、従来の学知を超えるマルチモーダルな知を提示できるのかという点で学びと活発な議論が交わされた。1月のイベントでは、研究所、オンラインジャーナル、学会、ゲーム、メディア祭といった様々なマルチモーダル・プラットフォーム制作に従事されてきた方々の報告と議論の応酬があった。映像人類学、芸術、経済人類学、感情社会学といった異なるバックグラウンドを持った方々が相互に建設的に批判することから生まれる新たな気づきがあった。その中でも特に大きな課題は、マルチモーダルな制作をいかにして評価するかという評価法の確立だった。したがって、次年度の研究会ではこの評価を巡る思考を深めるべく活動していきたいと考えている。
構成メンバー
福田 浩久
藤本 流位
木田 真理子
柴田 惇朗
院生代表者
- 高畑 和輝
教員責任者
- 竹中 悠美
概要
本研究会は、現代芸術・現代思想研究を背景とするメンバーによって近現代の芸術理論の文献講読と関連施設へのフィールド調査を通して、理解を深めるとともに、研究ネットワークを拡げること目的としている。本年はとりわけ「シュルレアリスム」思想の展開を、日本においての理論的支柱と位置づけられる瀧口修造(1903~1979)を中心に追っていく。具体的には、瀧口の著作の読解と瀧口研究の整理を中心に隔週での輪読会を行った上で、各メンバーの研究対象と瀧口の思想あるいは「シュルレアリスム」との関係性を研究し、9月の公開研究会において発表、討論を実施する。さらに、瀧口の常設展が置かれている富山県美術館へのフィールド調査を行う。本活動を通じ、現代音楽研究、前衛・現代芸術研究、現代思想研究を専門にするそれぞれのメンバーの知見を総合し議論を行うことで、未だ不十分であるとみなされている(秋元 2015)瀧口の芸術性、芸術活動、創作の学術的評価に寄与することができる。同時に、瀧口の思想、ひいてはシュルレアリスムの実践は本研究会のメンバーの各対象とも密接に関わっており、各人の今後の研究成果発表において、本研究の成果のさらなる発展が期待される。 参考文献■秋元裕子, 2015, 「瀧口修造研究・批評の分析:瀧口はどのように読まれてきたか(1)」『北海学園大学人文論集第58号』, 北海学園大学.
活動内容
第一回研究会
日時:2023年6月18日
場所:究論館プレゼンテーションルームA
内容:研究会の日程調整、講読文献の精査(シュルレアリスムの基本的文献を講読していくにあたり、まずは「瀧口修造の一九三〇年代:シュルレアリスムと日本」『美学64巻2号』(平芳幸浩、2013)に決定した。また、フィールド・ワーク先である富山県美術館への訪問日程のすりあわせをおこなった。
第二回研究会
日時:2023年7月8日
場所:ZOOM
内容:平芳幸浩、2013、「瀧口修造の一九三〇年代 : シュルレアリスムと日本」『美学』 64 巻, 2 号、p. 61-72 の講読。これをもとに院生メンバー同士での意見交換をおこなった。瀧口は、戦後現代芸術界のスポークスマンであるとともに1930年代においていち早く日本にシュルレアリスムの動向を紹介した論者として知られている。1930年代後半から瀧口がシュルレアリスムの日本における「独自性」を主張した背景を、先行研究では前衛美術弾圧や思想統制のなかでの保守への転向(彼は1941年に拘留も経験する)とみなされてきたが、平芳によれば1930年代後半以後、瀧口は実践者から理論的指導者への以降を見せており、さらにシュルレアリスムをイギリスロマン主義としたうえでその延長線上に松尾芭蕉の俳諧や世阿弥の能の幽玄性、あるいは利休の「さび」といった美意識に見出し再構築しようとしたとされる。院生メンバーの議論では、この観点から瀧口が戦後主導する「実験工房」のアーティストが主題とした「能」や「芭蕉」といったものに展開されると考えられた。
先端総合学術研究科院生プロジェクトスタートアップ報告会
日時:2024年7月22-23
場所:創思館カンファレンスホール
内容:スタートアップ報告会として研究会を紹介するポスターを作成し掲示した。これをもとに会場参加者と議論をおこなった。
第三回研究会
日時:2024年7月31日
場所:ZOOM
内容:秋元裕子、2022 、『瀧口修造研究―「影像人間」の系譜』、和泉出版 の講読。本書全体の目的を確認したうえで、序章の瀧口修造の先行研究を筆者が整理した部分を講読した。秋元は瀧口の評価軸として以下の四項を示した。① 戦前・戦後における前衛芸術の養護者としての評価 ② シュルレアリスムの理解・紹介・実践者 ③ 唯物論的観点、精神に対する物質の優位性を訴え、それに基づいた美学を示唆したことに対する評価 ④ 芸術における影像(イメージ)の重要性の主張 秋元はこうしたなかでこれまで議論の集中してきた「瀧口をシュルレアリスムのなかで評価すること」を一旦保留し、「瀧口が創造原理として重視した、想像力の系譜を浮き上がらせることが、作品分析のためには重要」(3頁)としていた。そのうえで、瀧口研究の動向と時代区分を確認し、議論をおこなった。
第四回研究会
日時:2023年9月9日
場所:ZOOM
内容:富山県美術館訪問の詳細日程の検討。その後、2件の文献を講読・議論をおこなった。
大谷省吾2018「「物質」をキーワードに瀧口修造と日本の前衛美術を考える」 展覧会「瀧口修造と彼が見つめた作家たち コレクションを中心とした小企画」20180610~0924(東京都国立近代美術館)
光田由里「瀧口修造の[物体] 接触・写真・幾何学」大阪大学、シンポジウム〈具体〉再考 第2回「1930年代の前衛」(20171203)における発表
富山県美術館フィールド調査
日時:2024年11月17日
内容:富山県美術館の常設展示である瀧口修造コレクションの調査を目的に訪問した。学芸員からの案内を受けることは叶わなかったが、瀧口を取り巻く様々なアーティストとのあいだの交流関係などをコレクション作品やオブジェを通して確認した。とくに、本美術館で2019年に行われた展覧会「瀧口修造/加納光於《海燕のセミオティク》」》の刊行資料をもとに、瀧口が実験工房を始め、戦後現代芸術界のスポークスマンとしての活躍の一側面を確認した。またその他の常設展(全4種)も見学し、議論をおこなった。
成果及び今後の課題
本研究会によって実施した講読会によって、瀧口修造の先行研究の動向を確認し、戦前・戦後の現代芸術界にいかなる影響を及ぼしたのか、またその背景として瀧口をどのような社会状況・思想的状況が取り巻いていたのかの理解を深めることができた。院生メンバーのなかから、北村、髙畑のように思想や現代音楽の側面から瀧口を照射した議論、藤本、川名、崔のように現代美術の領域からアプローチした議論、大橋のようなアウトサイダーアートや、特定コミュニティにおける相互関係二着目した議論が提出された。研究会の中で、瀧口が「シュルレアリスムをなぜ、またいかにして日本独自のものとして再構築しようとしたのか」、またフランスにおける差異とどのようなものが認められるかといった問題が浮上したが、これを明らかにし、成果として発表するに至らなかった。したがって、各メンバーの研究成果として本研究会の知見が活かされることを望みつつ、本研究会としても合同での成果発表等を目指していきたい。
構成メンバー
高畑和輝
川名祐実
北村公人
藤本流位
院生代表者
- 酒向 渓一郎
教員責任者
- 小川さやか
概要
本研究会は東アジアの食の受容/変容を研究対象とし、文化人類学や社会学における「文化の創造」の理論から、近年文化的交流が活発化する日本と韓国を中心とする食の文化変容の実態を解明することを目的とする。本研究会ではまず理論的枠組みの理解を図るため、ホブズボーム&レンジャー(1992)の『創られた伝統』の輪読を行う。その後日韓の歴史において、相互に食に文化的な変容が明らかになったことを論じた八田靖史(2015)の『食の日韓論』の講読を行う。これらの輪読を終えた後に、日本国内における韓国料理および韓国食品の受容、影響に関するフィールドワークを一度実施する。そのうえで最後のまとめとして、『食の日韓論』の著者である八田氏を招聘し、近年、特にコロナ前後の日本における韓国料理/食品の受容および韓国における日本料理/食品の受容について講演をいただく。これらの活動を通して、日韓における食文化の変容/受容だけではなく、その背景にある日本人/韓国人の移動がもたらした東アジアの移動も踏まえた移民のムーブメントの一端が何であるか、そして移民と食文化の関係性の一つの事例を提示することを目標とする。【参考文献】ホブズボーム&レンジャー(1992) 『創られた伝統』紀伊国屋書店、八田靖史(2015)『食の日韓論―ボクらは同じものを食べている』三五館
活動内容
「食の文化変容研究会」日韓の食文化比較 ボクらは同じものを食べている
【日時】
2024年1月14日(日) 15時00分~17時30分
【概要】
本研究会では「伝統の創造」というワードから、一見伝統と考えているものも必ずしも実はそうでもないことについて学んできました。それは食においてもそうです。皆さんが普段当たり前に食べているものもそういうものが多いです。これらについて学んだうえで本研究会では八田靖史様をお招きして、日韓の食の事例から普段当たり前に食べているものに関して、改めて再考する機会を持ちたいと今回企画しました。
【講師】
八田靖史(コリアン・フード・コラムニスト)
プロフィール
慶尚北道、および慶尚北道栄州(ヨンジユ)市広報大使。ハングル能力検定協会理事。1999年より韓国に留学し、韓国料理の魅力にどっぷりとハマる。韓国料理の魅力を伝えるべく、2001年より雑誌、新聞、WEBで執筆活動を開始。トークイベントや講演のほか、韓国グルメツアーのプロデュースも行っている。
【場所】:立命館大学衣笠キャンパス 末川記念会館講義室
【主催】:立命館大学大学院先端総合学術研究科「食の文化変容研究会」
【参加方法】参加費無料 *要事前申込制
お申し込みはこちらから。
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLScr7DFrn1xzGCu4fJ8ZvolmupMcnJk2ZRkAFE0y5xG7D4M4jA/viewform
成果及び今後の課題
『創られた伝統』の輪読、そして八田氏の講演会を通して、日本/韓国の食の文化受容の変遷を体系的に学ぶことができた。『創られた伝統』においても触れられている植民地を展開した列強が被植民地においてなんらかの影響を及ぼした点について、日本⇔韓国の間においても同様の影響を確認することができたのが成果としてあげられる。一方で植民地支配が終わり、それとは直接的には関係ない文脈においても日韓の文化受容は続いている。一方で歴史と文化は別と捉えて「消費」が続いているのも確かだ。課題としてはこうした「ポストコロニアル」な中での「消費」をどう捉えるかについて考えていく必要もある。
構成メンバー
酒向 渓一郎◎
柴田 惇朗
宮本 敬太
Chen Kewei
院生代表者
- OUYANG Shanshan
教員責任者
- 立岩 真也
概要
【目的】SOGI(Sexual Orientation and Gender Identity)とは、性的指向とジェンダー・アイデンティティのことを意味する。本研究会はSOGIの視点で幅広い課題を検討することを目指している。2023年度研究会の目的は、コミュニティ論、アイデンティティ論、社会運動論において、SOGIにかかわる問題はどのように論じられているのかという課題を中心に、地域研究、クィア理論、メディア分析、フェミニズムなど多様な分野から考察することである。
【内容と方法】本研究会の内容および方法は3つの活動で構成される。
①読書会を開催し、文献の輪読を行うことを活動の基本とする。担当メンバーがレジュメを作って発表する。
②クィア・コミュニティ活動(例えばパレード、クィア映画祭、展覧会など)に参与観察し、その場で得た知識と感想などを研究会で検討する。
③読書会で検討したテキストの著者や研究者を招きして公開研究会を行う。
【意義】本プロジェクトは、多様な専門領域とSOGIの接点を探ることによって、地域研究、表象研究、社会運動研究に関心を持つメンバーは各自の研究を進捗させると考える。
活動内容
「Bear Study&Queer Geography」
【日時】
2023年12月9日(土)17:00~20:00
【参加方法】
入退室自由、事前申し込みなし
【場所】
Microsoft Teams
ここをクリックして会議に参加してください
Meeting ID: 476 405 256 903
Passwords: pG2YH8
【Speaker】
Dr. Nicholas McGlynn (University of Brighton, UK)
Dr.McGlynn is a senior lecturer in Geography, School of Applied Sciences. Centre for Spatial, Environmental and Cultural Politics, Centre for Transforming Sexuality and Gender. His current research concentrates on the geographies of the GBQ men’s Bear subculture.
https://research.brighton.ac.uk/en/persons/nicholas-mcglynn
【Programs】
17:00~17:05 Start: Introduction of the Speaker
17:05~18:05 Lecture by Dr. Nicholas McGlynn and Q&A Session
18:05~18:20 Break times
18:20~19:20 Graduate Students’ Presentations
(Sayaka MIYAUCHI/Shanshan OUYANG)
19:00~20:00 General Discussion
【主催】
立命館大学大学院先端総合学術研究科・院生プロジェクト「SOGI 研究会」
2023年度 SOGI研究会 公開研究会
「プライドパレードをめぐる議論と戦略の変遷」
【日時】
2024年2月 20日(火)13:00~16:00
【参加方法】
入退室自由、事前申し込み不要
【場所】
Microsoft Teams
ここをクリックして参加してください
会議 ID: 466 904 257 120
パスコード: PUX6gF
【講師】
斉藤巧弥 (札幌国際大学観光学部観光ビジネス学科)
【プログラム】
12:30 Teams開場
13:00~13:05 開始:挨拶、研究会の主旨、先生の紹介
13:05~14:05 斉藤先生の講演
14:05~14:25 質問時間
14:25~14:35 休憩
14:35~15:00 院生発表(OUYANG)
15:00~16:00 総合ディスカッション
【主催】
立命館大学大学院先端総合学術研究科・院生プロジェクト「SOGI 研究会」
【お問い合わせ】
gr0371ri@ed.ritsumei.ac.jp(OUYANG)
成果及び今後の課題
今年度は、SOGIはどのように社会運動論、コミュニティ論、メディア論で論じられているのかという課題を中心に、日本だけではなく、英国や中南米の研究も学習することができた。また、公開研究会を通じて国際的な議論や当事者の経験の多様さへの理解も深めることができた。今後、エスニシティ論を視野に入れた研究会活動をしていくことを望んでいる。
構成メンバー
OUYANG Shanshan
QU Honglin
TAN Lacheng
宮内 沙也佳
勝又 栄政
田場 太基