基礎共通科目Intensive Reading Seminar
集中的なリーディングと討議・添削が、研究者としての基本的能力を鍛え上げます。
- 基礎講読演習I・II・III
- 応用講読演習I〜VIII
まずは「基礎講読演習(ベーシック・リーディング)」において、本研究科の領域横断的な主題設定の軸となる「核心としての倫理」、すなわち新たな時代における倫理と権利に内在する問題の諸相を考察します。これらの科目では、集中的な講読と小レポートの添削、討論による意見の表明などを通じて研究活動の基礎の養成をおこないます。大学院の基礎レベルでのコア科目として、いずれかを必ず選択して履修しなければなりません。
次に「応用講読演習(オリエンティッド・リーディング)」では、各プロジェクト演習(「公共」、「生命」、「共生」、「表象」)のフェイズ(フィールド、デザイン、テキスト)別の集中的な応用講読によって、研究動向の把握および情報収集・分析の手法を学び、同時に議論の流儀を身につけます。この訓練は個人の問題意識を深く掘り下げ、また本講義の課題となるレポートの蓄積が博士予備論文作成への補助的作業となるでしょう。
基礎専門科目Theme Specific Lecture
4つの大テーマがそれぞれ、テーマ研究史と先端的トピックスをあつかう各論・特殊講義を提供します。
- 公共論史・公共論I・II
- 生命論史 生命論I・II
- 共生論史 共生論I・II
- 表象論史 表象論I・II
- 特殊講義I~IV
各自の研究課題を検討し、具体的に焦点をしぼるために、各テーマについて基礎的な問題、とりわけ主題が形成された歴史過程と研究視角とを修得します。基礎専門科目を構成する主題別講義科目および特殊講義科目は、セメスター単位で開講し、各論(生命論I、公共論I・IIなど)はそれぞれ完結した科目として置かれます。
これら主題別講義科目は原則としてテーマプロデューサーおよびプロジェクトリーダーによって担当されます。特殊講義科目においては客員教授、講師などを中心に、4つの大テーマにかかわる先端的な研究動向をとりわけ集中講義のかたちで教授します。
サポート科目Skill Support Domain
書く・編集する・発信する・組織するといった次代を担う研究者に不可欠な実践的能力を養います。
既存の研究科には設けられていないこの「サポート科目」は、以下のスキルを養成するためのもので、3年次までの履修も可能とします。
- ディジタルデザインI~III
領域に関わりなく、情報技術(IT)機器を駆使したエディティングやプレゼンテーションのスキル養成を目指すもので、基礎、展開I・IIの3段階を置きます。
- アカデミックライティングI~IV
主に日英2ヶ国語の論文による成果発信のためのスキル養成を目指します。基礎、展開I・IIの3段階を置きますが、論文だけでなく日常的なレポート作成の場面でも力となることでしょう。
- リサーチマネージメントⅠ~III
ナレッジマネジメントの成果をふまえ、また国内海外のさまざまな研究所におけるリサーチの組織、マネジメントの経験を参照しつつ、創造的リサーチの原則、組織、運営等の手法と研究倫理を研究し修得します。
プロジェクト予備演習・プロジェクト演習
博士予備論文の用意も兼ねた予備演習の関門を通過して、研究者としての仲間入りを果たします。
- プロジェクト予備演習IA~D
- プロジェクト予備演習IIA~D
- プロジェクト予備演習IIIA~D
- プロジェクト演習
1年次後期からはプロジェクト演習参加への準備として、プロジェクト予備演習が設置されます。この科目は原則としてプロジェクト担当者によって担当され、1セメスターでひとつのテーマについての演習をおこない、原則として2年次後期に、大学院学生および複数の教員によって構成される合同予備演習において発表が課せられます。大学院学生はプロジェクト予備演習の担当者による演習、合同予備演習、プロジェクト演習への準メンバーとしての参加を通じて、各自の研究課題を絞り込み、2年次の終りに博士予備論文を提出し審査を受けます。
学部レベルでの多様なバックグラウンドを有した学生が、さらにこうして2年次までのさまざまな準備期教育を経験して、ついにはプロジェクトにフルメンバーとして参加する資格を得ることになります。
このプロジェクト演習は、それぞれの分野の専門家がテーマプロデューサーおよびプロジェクトリーダーとなり、他の複数の分野の専門家の参加をもって研究を推進するもので、学生もまた一人の研究者として研究の成果を報告する義務が課せられます。その方法としては、プロジェクト研究自体の成果物における分担執筆や、紀要および各種学術雑誌への寄稿などが考えられますが、博士論文は、プロジェクト研究の進行スケジュールとは厳密には別個に、個々の学生と指導教員の間で立てられた計画にもとづきながら執筆され、最終学年に提出されることになります。
カリキュラムについてGeneral Remarks
先端総合学術研究科のカリキュラムは、3年次以後のプロジェクト参加および論文執筆の部分と、プロジェクトに参加するための準備期教育の部分とに、大きく分かれます。
2度の大戦を経験したはずの世界がいままた新種の対立を生起させています。21世紀を脱国民国家の時代とする見方がある一方で、持続可能な地球規模の実践や生命倫理にかんする思索は十分な果実を生んでいません。1年次時の選択を必修とした、「コアエシックス」の名を冠する3つのベーシック・リーディングは、こうした問題群を見渡す視座を構築するためのものであり、それを4つのテーマ(「公共」「生命」「共生」「表象」)が個別に用意する(オリエンティッド・リーディング)が引き継ぎます。
これらリーディングと並行して開講されるサポート科目は、主として研究成果を発信するスキルを養成するものですが、体系的にカリキュラムに組み込む試みは他に例をみません。そうした発信手法にもよった博士予備論文は、その名のとおり、3年次以降にプロジェクト研究に正式参加するための資格審査の素材となります。
プロジェクトに参加するようになると、節目節目に課される実践的な成果発表がそのまま研究者としての評価につながります。また、このような諸成果が、科目としてのプロジェクトの進行とは厳密には別個の、まさにこの一貫制課程に身をおく学生一人ひとりのプロジェクトの最終成果として、博士論文として結実するのです。
主な活動内容
- 英語論文の書き方の指導、および英文の添削
- 『Core Ethics』や投稿論文の英語アブストラクト(英文要旨)の書き方の指導および添削
- 英語での学会報告に対するサポート
その他に、「英語の発表資料を作成するとき」や「英語で書類を書かなくてはならないとき」など、何でも英語関係でお手伝いできることがありましたら、まずは声をかけてみてください。
時間・場所
2024年度春期は、毎週 木曜日(13:00~18:00)
2024年度秋期は、毎週 水曜日・木曜日(13:00~18:00)
予約を行った上で(詳細下記)、創思館307「先端研ライティング指導室」までお越し下さい。
(『Core Ethics』編集時期には特別スケジュールも検討します)
予約の仕方
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- 研究指導申込み内容について、担当教員と調整・相談を行う。
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- ネット上の「先端研英語論文指導予約表」で指導可能な曜日を確認する(予約表のアドレスにつきましては、年度初めにメーリングリストでお伝えいたします)
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- 英語論文指導受付メールアドレス
ronbun-1@st.ritsumei.ac.jpに、指導教員のアドレスを同報にて、英語論文指導申込フォーマット(下記)に沿って申込メールを送信する。 -
- ネット上の「先端研英語論文指導予約表」(URLは院生向けのMLにてお伝えします)で予約を確認する
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- 英語論文指導スタッフによる面談指導を実施する。
★英語論文指導を申込む際は、こちらのフォーマットをご利用ください。
英語論文指導申込フォーマット
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氏名:
回生:
指導教員:
指導対象:『Core Ethics』等の投稿論文の英文要旨/英語発表/その他
指導内容:対面指導(月・日・時)/メール指導
対象物自体の締切(月・日):
希望返信期限(月・日):
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★英語指導は在学者のための制度となっており、休学者や研修生は利用することができません。『Core Ethics』の原稿に限っては、休学者も投稿資格があるため、例外的に指導を受けることができます。
2024年度英語論文指導スタッフの紹介
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嵩宣也(Dake Nobuya)
幼少の頃にスリランカ、アメリカでの滞在を経験し、異文化に触れあってきました。大学院時代にはGraduate Theological Union(アメリカ)に研究留学し、PhD Course (Religion and History)に合格しましたが、諸般の事情により進学を辞退。その後は、近代日本の仏教者たちが、思想をどう西洋世界に発信してきたのかを研究してきました。
博士課程に在籍中は学内のライティングサポートセンターで英語・日本語の論文サポートもしていました。様々な分野のレポートや卒業論文、申請書を見てきた経験はありますので、先端総合学術研究科の皆さまのお役に立てればと思います。また、国際学会での発表、論文投稿、海外大学院の受験、助成金の申請も経験がありますので、お困りの際は、相談にいらしてください。英語アカデミックライティングを全力でサポートさせていただきます!連絡先:ronbun-1@st.ristumei.ac.jp
2012年:関西学院大学文学部文化歴史学科卒業
2016年:龍谷大学文学研究科修士課程修了
2021年:龍谷大学文学研究科博士後期課程修了、博士(文学)
現在、立命館大学大学院先端総合学術研究科授業担当講師、相愛大学非常勤講師、龍谷大学世界仏教文化研究センター客員研究員
2025年度 春学期
- 後山 剛毅(あとやま・ごうき)
記憶論、文学研究、広島戦後史研究 - 佐藤 伸彦(さとう・のぶひこ)
法社会学、司法制度論、法と教育 - ほか1名
指導内容
- 先端総合学術研究科主催のシンポジウム・研究会の開催・運営
- 『Core Ethics』(研究科紀要)編集事務
- 彙報の編集出版業務
- 先端研Webサイトの管理
- 論文指導依頼の調整
- 院生プロジェクトの運営の支援
など
研究指導にあたる場所と時間
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場所
創思館307 先端研ライティング指導室
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時間
オフィスアワーは平日の13:00~18:00。変更がある場合は、先端研メーリングリスト [ml-cefs] を通じて案内する。
【重要】研究指導を受ける際の手続きについて
※どのご依頼も、ライティング指導室の開室時内に対応いたします。
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- 「日本語論文指導の利用ガイド」をよく読む。
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- 研究指導申込み内容について、指導教員と調整・相談を行う。
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- 日本語論文指導受付メールアドレス [mlst-sentan@ml.ritsumei.ac.jp ] 宛に、
指導教員のアドレスを同報(CC)にて、論文指導申込みフォーマット(後述)に沿って、原稿を添付のうえメールを送信する。 -
- 申し込みの際は、 大学によって付与されているアドレス(ドメインがritsumei.ac.jp) から送信すること。
■上記MLに投稿できない場合は、通常の助手アドレス sentan01@st.ritsumei.ac.jp にご連絡ください。
■日本語論文指導と研究相談は在学者のための制度となっており、休学者や研修生は利用できません。『Core Ethics』の原稿のみ、休学者も投稿資格があるため、例外的に指導を受けることができます。
【日本語論文指導(原稿チェック)の注意点】
★1件あたりの文字数の上限は30,000字、1回の指導につき2往復のやり取りが可能です。
★学会誌・紀要に投稿する論文(16,000字程度)の添削を希望する場合は、返却希望日時の10営業日前までに申込みを済ませてください。
博士論文・博士予備論文などの分量の多い原稿の添削については、返却希望日時の1ヶ月前までに申込みを済ませてください。
その他の原稿・書類についても、返却希望日時の7営業日前までにお申し込みください。
※上記の作業時間が確保されていない場合、ご依頼をお断りする可能性があります。
★論文提出後で査読・審査に入る前の段階のものはお引き受けできません(修正要求を受けて本人が修正したあとの原稿を研究指導助手が点検することは可能です)。
【研究相談(対面またはオンライン)の注意点】
■相談のみ希望する場合、通常の研究指導助手のメールアドレスへご連絡ください。
その際、グーグルカレンダーを参照の上、相談希望日時の3日前までに申し込みを済ませてください。
■面談は原則1日2件までの受付となります。一回の面談時間は1時間です。
■依頼する際は、ライティング指導室に来室するか、オンライン(Zoom)を使用するか選んでください。
★研究相談はできるだけ指導教員との調整をおこなった後にお越しください。
★本相談は、研究内容そのものへの助言・コメントを行うものでないことにご注意ください。
研究内容については指導教員(主・副)の指導を基本とし、プロジェクト(予備)演習・研究会等における議論の機会を積極的に活用してください。
★指導教員から指導を受けることが望ましいと判断した場合、面談の依頼を受け付けられない場合があります。
※内容によって、研究指導助手ではなく日本語論文指導スタッフが担当する場合もあります。
研究指導申込フォーマット
★日本語論文指導の申込みメールは、必ず本フォーマットに沿って記入してください。
★申込みフォーマット
――【以下】――
氏名:
領域・回生:
指導教員:
指導対象の内容(論題、投稿先、指導を依頼する論文等の章・節など):
指導対象の文字数:
申し込み日(年・月・日):
希望返信期限日(年・月・日):
希望面談日(年・月・日)※希望者のみ:
指導対象の締め切り日(年・月・日):
指導対象の執筆要領(書式が確認できるURL):
――【以上】――
★記入例
――【以下】――
氏名: 先端 研
領域・回生:公共・3
指導教員:学術 倫
指導対象の内容(論題、投稿先、指導を依頼する論文等の章・節など):
現代日本における先端総合的学術研究の可能性
(投稿先:『Core Ethics』Vol.▲▲)
指導対象の文字数:15,432文字
申し込み日(年・月・日):202●年7月20日
希望返信期限日(年・月・日):202●年8月5日
希望面談日(年・月・日):202●年8月22日
指導対象の締め切り日(年・月・日):202●年9月8日
指導対象の執筆要領(書式が確認できるURL):
『社会学評論』スタイルガイド
http://www.gakkai.ne.jp/jss/bulletin/guide.php
――【以上】――
研究指導以外の用件での研究指導助手への連絡先
E-mail: sentan01@st.ritsumei.ac.jp
「研究指導助手」の英語表記
‘Advisory fellow’ とする。
プロジェクト演習を始点として展開する教育研究プロジェクト
先端総合学術研究科の院生たちは、4つの領域からなる「プロジェクト演習」を始点として、研究所・センター群で展開されている様々な個別研究プロジェクト、文部科学省や日本学術振興会により採択されている研究、さらに、院生たちが、新たな学問の可能性を開くために実施される先端総合学術研究科の院生プロジェクトなど様々なプロジェクトのメンバーとして、研究の可能性を開拓している。
プロジェクトの拠点
連関する研究所群
文部科学省・日本学術振興会採択プロジェクト
- グローバルCOEプログラム (2007〜2011年度)
- 「文部科学省大学院GP「魅力ある大学院教育」イニシアティブ (2005〜2006年度)
科学研究費補助金によるプロジェクト
- モダニズム研究会(西成彦教授)
- 「多文化主義と社会的正義」プロジェクト(ポール・デュムシェル教授)
- 「現代社会における統制と連帯」研究会(天田城介准教授)
院生が中心に運営する新領域開拓型のプロジェクト
- 院生プロジェクト(2012年度~)
- 公募研究会(~2011年度)
- グローバルCOE「生存学」創成拠点院生プロジェクト(〜2011年度)
文部科学省・日本学術振興会採択プロジェクト
- グローバルCOEプログラム (2007〜2011年度)
- 「文部科学省大学院GP「魅力ある大学院教育」イニシアティブ (2005〜2006年度)
科学研究費補助金によるプロジェクト
- モダニズム研究会(西成彦教授)
- 「多文化主義と社会的正義」プロジェクト(ポール・デュムシェル教授)
- 「現代社会における統制と連帯」研究会(天田城介准教授)
院生が中心に運営する新領域開拓型のプロジェクト
- 院生プロジェクト(2012年度~)
- 公募研究会(~2011年度)
- グローバルCOE「生存学」創成拠点院生プロジェクト(〜2011年度)
- モダニズム研究会(西成彦教授)
- 「多文化主義と社会的正義」プロジェクト(ポール・デュムシェル教授)
- 「現代社会における統制と連帯」研究会(天田城介准教授)
院生が中心に運営する新領域開拓型のプロジェクト
- 院生プロジェクト(2012年度~)
- 公募研究会(~2011年度)
- グローバルCOE「生存学」創成拠点院生プロジェクト(〜2011年度)
先端総合学術研究科が関わるグローバルCOEプログラム
文部科学省「グローバルCOEプログラム」とは、2002年度から文部科学省において開始された「21世紀COEプログラム」の評価・検証を踏まえ、その基本的な考え方を継承しつつ、我が国の大学院の教育研究拠点を一層充実・強化し、世界最高水準の研究基盤の下で世界をリードする創造的な人材育成を図るため、国際的に卓越した教育研究拠点の形成を重点的に支援し、もって、国際競争力ある大学づくりを推進することを目的とする事業です。
■「生存学」創成拠点(2007〜2011年度)
病、老い、障害など、ままならない身体とともに生きること。それは、福祉や医療の援助の対象である前に、人々が生きていく過程であり、生きる知恵や技が創出される現場です。その人々の経験や語りを集め、社会との関りを解析し、あるべき社会・世界を実現する手立てを示す-それが「生存学」です。自然科学と人文社会科学のはざまで分散し埋もれていた情報をデータベース化し、それをもとに本格的な学問的考察を行い社会に発信します。
中核となる専攻・センター
先端総合学術研究科先端総合学術専攻
生存学研究センター
関連ホームページ
「生存学」創成拠点
「生存学」創成拠点 (オリジナルサイト)
生存学研究センター
拠点リーダー
立岩真也(先端総合学術研究科・教授)
■日本文化デジタル・ヒューマニティーズ拠点 (2007〜2011年度)
21世紀COEプログラム「京都アート・エンタテインメント創成研究」 で培ってきた資源の集積・活用を世界レベルで行う研究拠点。日本文化・芸術を実践領域として、文理連携の教育研究モデルと国際ネットワークを活用し、最先端の情報技術(デジタルアーカイブ、データベース、地理情報システム、Web2.0など)を駆使する取り組みを展開していきます。また、日本文化・芸術研究を再構築し、国際的な人文学研究者育成を目指します。
中核となる専攻・センター
文学研究科人文学専攻
理工学研究科総合理工学専攻
先端総合学術研究科先端総合学術専攻
政策科学研究科政策科学専攻
アート・リサーチセンター
関連ホームページ
日本文化デジタル・ヒューマニティーズ拠点
アートリサーチセンター
拠点リーダー
赤間 亮(文学研究科・教授)
個人個人の日常的な生き方から、国家や共同体レベルの政策決定まで、さまざまな次元を視野に入れながら、わたしたちは、コア・エシックス(核心としての倫理)にふれる4つのテーマを選びました。そして、テーマごとに「科目としてのプロジェクト」が設置され、さらに各教員が中心になって運営する「個別プロジェクト」が設けられるのです。
――21世紀における公共性
身体をめぐる言説・運動・政策の変容過程を検討しつつ、断片的な生のあり方を拾いあげながら、デモクラシーと生存のための社会システムの公共性を探ります。
<公共領域・各教員のテーマ>
医療・歴史・アーカイブス――後藤 基行(医療社会学・精神医療史)
――争点としての生命
生命科学・医療・福祉をめぐる科学的知識・技術の歴史的検討、倫理的諸問題の整理を通じて、生命・生殖・病・死を総合的に探求し、新しい生命の理解と倫理の構築可能性をひらきます。
<生命領域・各教員のテーマ>
生命論の理論的争点――小泉 義之(哲学・倫理学)
出生の偶然性と責任――戸谷 洋志(哲学・倫理学)
生命と技術の倫理――松原 洋子(科学史・科学技術論)
医療・身体性・グローバリゼーション・思想――美馬 達哉(医療社会学)
――共生の可能性と限界
多大な犠牲をともなう不完全な共生実験であった人間の歴史を批判的に遡りつつ、未来に向けて、そうした犠牲を伴わない生命と生活の可能性を構築する方途を探ります。
<共生領域・各教員のテーマ>
阿部 朋恒(文化人類学)
狡知、アナザーワールド、そしてLiving for Todayの人類学的研究――小川 さやか(文化人類学・アフリカ地域研究)
社会的連帯と両立しうる責任――戸谷 洋志(哲学・倫理学)
カタストロフィと文学――西 成彦(比較文学)
――文化と芸術の表象論的分析
文化と芸術の諸事象を表象論的観点から読解・分析します。技術、歴史、思想、実践への理解を主軸とし、創造と受容の場、諸々の文脈、メディアといった問題系へとアプローチします。
<表象領域・各教員のテーマ>
社会におけるアートの作用機序――竹中 悠美(芸術学)
現代哲学と批評のあいだで思考する――千葉 雅也(哲学・表象文化論)
ゲーム・デジタルメディアを探求する――M・ロート(メディア・日本地域研究)
先端総合学術研究科の院生たちは課程博士論文を完成させるために、領域横断カリキュラムの中心として機能している公共、生命、共生、表象という4つのテーマ領域から構成されている「プロジェクト演習」に参加しつつ、自身のテーマ研究を確立させるために多彩なプロジェクト研究に共同研究のメンバーとして参画している。
プロジェクト研究とは、先端総合学術研究科が、立命館大学にある研究所・センター群と連携しながら、推進するプロジェクト(グローバルCOE、立命館大学内研究プロジェクトなど)、本研究科独自の教育研究プロジェクト(GP、院生プロジェクト)、主に本研究科教員が進める科学研究費補助金による共同研究などがある。
これらのプロジェクト研究は、公共、生命、共生、表象という4つのテーマをさらに深めた多彩な研究テーマ群により、構成されている。院生たちは多くのプロジェクト院生たちの共同研究者としての参加し、新たな学問的地平を開拓しようとしている。つまり、先端総合学術研究科では、領域横断的なカリキュラム、4つのテーマ領域から構成されている「プロジェクト演習」、多彩なプロジェクト研究が融合し、「連関する教育研究」が進められているのである。