服飾文化研究会

院生代表者

  • 古田 賢

教員責任者

  • 千葉 雅也

企画目的・実施計画

 本研究会は、服飾(ファッション・民族衣装・コスチュームなど)を表象文化の観点から研究することを目的としている。メンバーの研究領域は、服飾研究のみならず、ゲーム、スポーツなど多岐にわたっており、服飾について多角的な検討が可能となる。また、服飾文化を研究テーマにしているメンバーも服飾以外の知見を得ることができ、各自の研究にも成果がフィードバックされることが期待できる。これらの研究会活動によって表象文化研究に対して服飾という視点から貢献ができる。加えて、メンバーの半分以上が1・2回生であり、様々な学問分野に授業以外で触れることができる利点もある。
 研究会活動は、メンバーの研究関心に沿った研究発表を行い、ディスカッションを通じてメンバーの知見を高め、自身の研究分野とファッションを結びつけたテーマを設定する。最終的には、年度末に研究報告発表会を開催し、各自が研究成果を公表することを目標とした。また、今年度は外部からの講師を招いた講演会も企画する。

活動内容

今年度、本研究会では初めて講師を招いた講演会を開催した。これまで、本研究会では、思想に関わる議論はごく僅かであったため、美学者である谷川渥氏を招いた。この講演会は、美学を含む思想と服飾文化の関係を考えていくことが、本研究会に多大な意義があると考え企画した。
昨年度は、ディスカッションが中心だったため、今年度は、研究会メンバーによる発表を中心に行った。発表内容は服飾史をはじめ、マスメディア、ゲームなど各自の研究に関係するものであった。2016年2月には、昨年度同様に、研究会活動の成果を発表する研究発表会を行った。

  • 第1回研究会
  • 発表者:後山 剛毅
    日時:7月13日(月)17:00~19:00 
    場所:究論館プレゼンテーションルームB

  • 第2回研究会
  • 発表者:ショウ ガン
    日時:2015年8月27日(木)17:00~19:00
    場所:究論館プレゼンテーションルームB

  • 第3回研究会
  • 発表者:古田 賢・シン ジュション
    日時:2015年10月29日(木)17:00~19:00
    場所:究論館プレゼンテーションルームA

  • 講演会「〈作品〉のトポロジー」
  • 日時:11月24日(火) 18:00~20:00
    場所:存心館4階904教室
    講演タイトル:〈作品〉のトポロジー
    講演者:谷川渥
    講演要旨:
    作品とは何か。作者、作品、鑑賞者(享受者)の三項関係が最も常識的だが、この三者の関係をとらえ直すことで、作品のトポロジーを構成してみたい。実存の美学の試みである。

    事前申し込み不要、参加費無料

  • 第5回研究会
  • 発表者:1 古田 賢 2 根岸 貴哉・枝木 妙子 3 後山 剛毅
    日時:2月8日(月)13:00~15:00(1組の発表時間は40分)
    場所:創思館412教室

成果及び今後の課題

 今年度は各メンバーによる発表を中心に行ったため、各自の発表スキルの向上につながった。また、今年度は初めて外部から講師を招いた講演会を行ったことで、研究会活動を外部にも発信することができた。これを機に、研究会の参加者を学内だけでなく、学外からも多く招き、幅広い議論を行いたい。そのために、今後は外部の参加者を招くイベントを積極的に企画したいと考えている。これらの研究会活動の延長として、学会発表や論文投稿につなげていきたい。

構成メンバー

古田 賢     表象領域 4回生 2014年度入学
枝木 妙子    表象領域 3回生 2013年度入学
根岸 貴哉    表象領域 2回生 2014年度入学
シン ジュヒョン 共生領域 2回生 2014年度入学
ショウ ガン   表象領域 2回生 2014年度入学
後山 剛毅    表象領域 1回生 2015年度入学

「分析哲学と芸術」研究会

院生代表者

  • 越智 朝芳

教員責任者

  • 井上 彰

活動内容

  • 公開研究会「ゲームのナラティヴ/音楽のナラティヴ」

    日時:11月7日(土)14:00~
    場所:立命館大学衣笠キャンパス創思館303・304
    内容(内容は変更になる可能性があります):

    14:00~15:00 
    レクチャー1 
    西田紘子(九州大学)「音楽/物語/時間」
    1.はじめに
    2.「音楽の物語」の諸立場
    3.用語法
    4.音楽と物語/音楽の物語
    5.1900年以降の音楽――物語の型
    6.ハインリヒ・シェンカーの理論――時間性
    7.終わりに――今後の課題

    15:10~16:10
    レクチャー2 
    松永伸司(立命館大学)「ナラティブを分解する――ビデオゲームの物語論」
    1.ゲームのナラティブ?
    2.物語論の枠組み
    3.ナラティブを分解する

    16:20~18:00
    フリーディスカッション

  • 予約不要、参加無料、学外の方も御参加いただけます。

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2014年度 博士論文/博士予備論文構想発表会

2014年度 博士論文/博士予備論文構想発表会

先端研では、毎年7月に、博士予備論文(修士論文に相当)・博士論文の構想発表会を行なっています。
2014年度は、昨年に引き続き大々的な企画として開催いたします。構想発表会は、プロジェクト型教育・学際的研究を推進する先端研ならではの、多様な関心をもつ院生・教員・研究者らが集う貴重な機会です。ぜひこの場に参加して、先端研の魅力を体感してみてください。
期間中は、ランチョン交流会、コーヒーブレーク、院生プロジェクトのポスター展示、院生・修了生の著書紹介などを行ないます。多くの関係者と交流できるチャンスですので、積極的に活用してください。

開催概要

日時 2014年7月23日(水)
2014年7月24日(木)
2014年7月26日(土)
会場 立命館大学 衣笠キャンパス 創思館カンファレンスルーム
参加条件 参加費無料・登録不要

本研究科構想発表会の4つの魅力

  1. ランチョン交流会(無料)

    創思館401・402で3日とも別メニューにて実施します。コーヒーブレイクともども、交流の場としてご活用ください。

  2. コーヒーブレイク

    会場の創思館カンファレンスルーム前の応接室にて開催。コーヒーや冷たい飲み物をご提供します。

  3. 院生プロジェクトのポスター展示

    先端研独自の研究支援制度である院生プロジェクト。各プロジェクトの目的・研究活動の紹介ポスターを会場に掲示します。

  4. 修了生・在学生の著書展示ブース。

    コーヒーブレイク会場の応接室にて、先端研独自の出版助成制度で刊行されたものなど、修了生・在学生の著作の展示を行います。

2014年度前期 博士論文/博士予備論文構想発表会
論題・スケジュール

博士論文・博士予備論文構想発表会での報告内容は、研究倫理上の配慮を
要する研究情報です。

7月23日(水)

  • 10:20~11:10 <博士>公共領域
    「介護老人保健施設における看護師の臨床知」
  • 11:10~11:45 <予備>表象領域
    「近代着物の受容研究―昭和戦前期における流行の分析―」

-昼休-

  • 12:50~13:25 <予備>公共領域
    「生活保護における扶養義務についての社会学研究」
  • 13:25~14:00 <予備>表象領域
    「中国地方テレビにおける日韓番組に対する受容」
  • 14:10~15:00 <博士>生命領域
    「終の場所―台湾における終末期医療の法と倫理―」
  • 15:00~15:50 <博士>共生領域
    「芸術を生活化する―梁民基のマダン劇運動―」
  • 16:00~16:35 <予備>公共領域
    「個人が経営する小規模な訪問介護事業所の開設時におけるイニシャルコストと課題」

7月24日(木)

  • 10:20~11:10 <博士>公共領域
    「高齢期から問い直す離婚という経験―離別シングルマザーの語りから―」
  • 11:10~11:45 <予備>公共領域
    「京都市における公的在宅訪問介護事業の歴史的展開」

-昼休-

  • 12:50~13:25 <予備>共生領域
    「舞台芸術制作過程の文化社会学的研究―京都の劇団Aを事例に―」
  • 13:25~14:00 <予備>表象領域
    「アフォーダンスの組み立てと展開―人工知能と人間の視知覚―」
  • 14:10~15:00 <博士>公共領域
    「福祉制度とALSの人の家族介護に関する質的研究-韓国介護支援制度を中心に-」
  • 15:00~15:50 <博士>共生領域
    「産業界が求めるコミュニケーション能力とは何か―社会の言説と大学におけるコミュニケーション教育―」
  • 16:00~16:50 <博士>表象領域
    「ルイス・キャロルの『アリス』作品におけるパラドクス―帽子屋と三月ウサギの二者性に向かって―」

7月26日(土)

  • 10:20~11:10 <博士>公共領域
    「精神分析プラクティスの変化に関する歴史的検討―フロイトから英米への展開を中心に―」
  • 11:10~11:45 <予備>表象領域
    「平沢進およびP-MODELの活動におけるインターネット社会と批判的介入」

-昼休-

  • 12:50~13:50  研究倫理研修
  • 14:00~14:35 <予備>生命領域
    「フロムにおける生長の弁証法―疎外論と葛藤論―」
  • 14:35~15:25 <博士>公共領域
    「滋賀における難病患者運動の歴史 1983年~2013年」
  • 15:35~16:25 <博士>共生領域
    「神戸中華同文学校に見る多文化共生と国際教育―多文化・多言語教育と教育環境、ちゃんぽん文化―」
  • 16:25~17:15 <博士>公共領域
    「関西における過労死家族会の結成と活動の変容」
  • 17:25~18:15 <博士>共生領域
    「障害交流センター事業の試み―当事者が援助職養成教育に参加する事によってもたらされる効果について―」

注意事項

発表者の方へ

  1. 時間配分
    <博士論文構想発表会> 発表時間30分、質疑応答20分(合計50分)
    <博士予備論文構想発表会> 発表時間15分、質疑応答20分(合計35分)
  2. 発表は、論文のテーゼ・論旨に絞って、簡潔かつ明確に述べること。
  3. 発表時のレジュメ(A3片面印刷1枚)を、必ず予め50部用意(足りない場合は事務局にてコピーします)して持参すること。レジュメには以下
    の事項を簡潔に記載すること。
    ・論文の主旨
    ・論文の章立て
    ・研究史上の意義
    ・主要参考文献
    ・必要ならば図表
    ※発表用原稿又はメモはレジュメとは別に各人において用意すること。
  4. 発表に使用する機器類については事前に相談すること。

全院生の方へ

  1. やむを得ぬ事情のあるときを除き、先端総合学術研究科の大学院生は
    全日程に渡って、全員参加を原則としています。(除:授業との重複者)
  2. メールでの欠席連絡については、必ず件名に「先端研」と入れてくだ
    さい。
    doku-ken★st.ritsumei.ac.jp (★→@)
公聴会(2014年度)

2014年度 博士学位審査(甲号)公聴会

以下のとおり公聴会を実施いたします。
なお、やむを得ぬ事情のあるときを除き、
先端総合学術研究科大学院生は全員参加を原則としています。

【終了】学位審査申請者:番匠 健一(生命)
学位申請論文名:「日本帝国における植民理論の思想史研究―北海道帝国大学の植民学講座と「内国植民論」を中心に―」
日時: 2015年 1月 9日(金)16時00分~
場所: 創思館401.402教室
審査委員:
【主査】小泉 義之 教授 (立命館大学大学院先端総合学術研究科)
【副査】冨山 一郎 教授 (同志社大学グローバル スタディーズ研究科)
【副査】小川さやか准教授(立命館大学大学院先端総合学術研究科)
【副査】松原 洋子 教授 (立命館大学大学院先端総合学術研究科)

2014年度(遡及) 博士学位審査(甲号)公聴会

以下のとおり公聴会を実施いたします。
なお、やむを得ぬ事情のあるときを除き、
先端総合学術研究科大学院生は全員参加を原則としています。

【終了】学位審査申請者:阿部 あかね(公共領域) 
学位申請論文名:「精神医療改革運動期の看護者の動向」
日時: 2015年 7月 7日(火)14時00分~
場所: 創思館カンファレンスルーム
審査委員:
【主査】立岩真也   教授 (立命館大学大学院先端総合学術研究科)
【副査】美馬達哉  准教授 (京都大学大学院医学研究科)
【副査】井上 彰  准教授 (立命館大学大学院先端総合学術研究科)
【副査】小泉義之    教授 (立命館大学大学院先端総合学術研究科)

【終了】学位審査申請者:仲尾 謙二(公共領域)  
学位申請論文名:「カーシェアリングがもたらすもの―自動車の効用に焦点をあてた都市交通政策―」
日時: 2015年 7月 21日(火)11時00分~
場所: 創思館カンファレンスルーム
審査委員:
【主査】立岩真也   教授 (立命館大学大学院先端総合学術研究科)
【副査】松村暢彦   教授 (愛媛大学大学院理工学研究科)
【副査】井上 彰  准教授 (立命館大学大学院先端総合学術研究科)
【副査】渡辺公三    教授 (立命館大学大学院先端総合学術研究科)

【終了】学位審査申請者:吉田 幸恵(公共領域)  
学位申請論文名:「韓国ハンセン病者の現代史―韓国定着村事業の検討を中心に―」
日時: 2015年 7月 22日(水)14時00分~
場所: 創思館401.402教室
審査委員:
【主査】立岩真也   教授 (立命館大学大学院先端総合学術研究科)
【副査】花田昌宣   教授 (熊本学園大学社会福祉学部)
【副査】井上 彰 准教授 (立命館大学大学院先端総合学術研究科)
【副査】松原洋子   教授 (立命館大学大学院先端総合学術研究科)

【終了】学位審査申請者:林 德榮(公共領域)  
学位申請論文名:「韓国におけるホームレス歴史研究
―政策カテゴリーとしての「浮浪児・人」から「露宿人等」まで―」
日時: 2015年 7月 24日(金)13時30分~
場所: 創思館カンファレンスルーム
審査委員:
【主査】立岩真也   教授 (立命館大学大学院先端総合学術研究科)
【副査】原口 剛  准教授 (神戸大学大学院人文学研究科)
【副査】小泉義之   教授 (立命館大学大学院先端総合学術研究科)
【副査】西 成彦    教授 (立命館大学大学院先端総合学術研究科)

【終了】学位審査申請者:三野 宏治(公共領域) 
学位申請論文名:「「脱」精神科病院に関する考察」
日時: 2015年 7月 24日(金)15時00分~
場所: 創思館カンファレンスルーム
審査委員:
【主査】立岩真也   教授 (立命館大学大学院先端総合学術研究科)
【副査】河東田博    教授 (浦和大学総合福祉学部)
【副査】中村 正    教授 (立命館大学産業社会学部)
【副査】西 成彦 教授 (立命館大学大学院先端総合学術研究科)

【終了】 学位審査申請者:小辻 寿規(公共領域) 
学位申請論文名:「京都市における「まちの居場所」活動の実践に関する研究」
日時: 2015年 7月 27日(月)16時00分~
場所: 創思館カンファレンスルーム
審査委員:
【主査】立岩真也   教授 (立命館大学大学院先端総合学術研究科)
【副査】延藤安弘   教授 (国立台湾大学)
【副査】永橋為介   教授 (立命館大学産業社会学部)
【副査】渡辺公三    教授 (立命館大学大学院先端総合学術研究科)

【終了】学位審査申請者:矢野 亮(公共領域) 
学位申請論文名:「同和政策の社会学的研究―戦後都市大阪を中心に―」
日時: 2015年 7月 27日(月)17時30分~
場所: 創思館カンファレンスルーム
審査委員:
【主査】立岩真也   教授 (立命館大学大学院先端総合学術研究科)
【副査】岸 政彦  准教授 (龍谷大学社会学部)
【副査】天田城介   教授 (中央大学文学部)
【副査】小川さやか 准教授 (立命館大学大学院先端総合学術研究科)
【副査】小泉義之   教授 (立命館大学大学院先端総合学術研究科)

★ 公聴会発表者へ
公聴会発表にあたっての留意事項です。

  1. 発表時間は30分、質疑応答30分とする。
  2. レジュメの様式は特に指定しない。あらかじめ50部を用意して持参すること。
  3. レジュメのデジタルデータをメールに添付して提出すること。(学外サーバーにて配付する。)
  4. 発表用原稿またはメモはレジュメとは別に各人において用意すること。
  5. 発表用に使用する機器類については事前に相談すること。
  6. 2010年度よりWEBでの音声配信も先端研内で公開としていますが、なんらかの理由により公開しない場合はその旨届けること。
Core Ethics Vol.11

立命館大学大学院先端総合学術研究科
『Core Ethics』Vol.11 2015年

コアエシックス11号_表紙
目次 PDF<212KB>
奥付 PDF<55KB>


論文

風景思想の転換に参与したローカルエリート
――小林吉明による京都市郊外の風致保全・保勝事業を事例に―― 
岩田 京子 p.1
PDF<496KB>

ミシェル・シオンによる映画の音声/声をめぐる概念の再考
――映画『二〇〇一年宇宙の旅』の分析を通して――
越智 朝芳 p.13
PDF<342KB>

滋賀難病連の患者運動と滋賀県との「協働」
――協働関係となる要因分析――
葛城 貞三 p.23
PDF<368KB>

ルイス・キャロルの『アリス』シリーズにおける二者性の表現
⻆田 あさな p.35
PDF<277KB>

宇都宮病院事件から精神衛生法改正までの歴史の再検討
――告発者及びその協力者の意図との関係――
桐原 尚之 p.47
PDF<410KB>

「全国重症心身障害児(者)を守る会」の発足と活動の背景
窪田 好恵 p.59
PDF<433KB>

「英会話講座」から多文化交流の「場」へ
――亀岡市におけるグローバルセッションの転換―― 
児嶋 きよみ p.71
PDF<403KB>

精神障害当事者にエンパワメントをもたらす公共の語りの場の設計
――語り部グループ「ぴあの」の実践事例をもとに――
栄 セツコ p.83
PDF<524KB>

老人福祉法制定前後の在宅高齢者福祉政策に関する再検討
――1950 ~ 1960 年代前半の京都市を事例に―― 
佐草 智久 p.95
PDF<421KB>

統計的手法による『山海経』編著者の識別
下西 紀子 p.107
PDF<1294KB>

台湾における終末期医療の法と倫理
――終末期退院の慣行と「安寧緩和医療法」をめぐる判決を手掛かりに―― 
鍾 宜錚 p.123
PDF<406KB>

ある行政官僚の当事者運動への向き合い方
――障害基礎年金の成立に板山賢治が果たした役割――
高阪 悌雄 p.135
PDF<413KB>

ハンセン病の医療の変遷の歴史
――1960 年代の長島愛生園の医療を中心にして―― 
田中 真美 p.147
PDF<483KB>

障害分野へのケアマネジメント導入をめぐる迷走と諸問題・1995 年―2006 年
萩原 浩史 p.159
PDF<386KB>

華人プロテスタント信者の越境的連結
――「中国信徒布道会」をめぐる一考察――
モリ・カイネイ p.171
PDF<490KB>

戦後の大阪住吉におけるローカル・ポリティクス
――天野事件を通じて――
矢野 亮 p.183
PDF<485KB>

中国人観光客における日本観光の〈オーセンティシティ〉
――観光政策と観光産業の狭間で体験する日本――
王 屹 p.195
PDF<576KB>


書評

「我々」と「彼ら」の文化ではない「多文化」の思考へ
――学習言語とは何か─教科学習に必要な言語能力――

What is academic language? The language abilities needed for academic studies
2011 バトラー後藤裕子(Yuko Goto Butler)三省堂

児嶋 きよみ p.209
PDF<206KB>

2014年|立命館大学大学院 先端総合学術研究科

2014年度 行事

2014年4月

  • 3月30日(日) 院生オリエンテーション
  • 1日(火) 前期セメスター開始
  • 7日(月) 前期セメスター授業開始

2014年5月

  • 19日(日) 本学創立記念日(授業日)

2014年7月

  • 21日(月) 前期セメスター授業終了

2014年9月

  • 25日(木) 前期セメスター終了
  • 26日(金) 後期セメスター開始/後期セメスター授業開始

2015年1月

  • 19日(月) 後期セメスター授業終了

2015年3月

  • 31日(火) 後期セメスター終了
メッセージ 松原洋子 教授・研究科長(2012~2014年度)

― 「アウェイ」を楽しみ「ホーム」を創る ―

松原洋子

 2003年、5年一貫制のプロジェクト型大学院として出発した先端総合学術研究科(先端研)は、2013年4月に開設11年目を迎えます。先端研は、学部から独立した大学院だけの教育組織です。定員は150名で、人文社会系としては規模の大きい大学院です。院生は、学部から直接大学院に進学した人のほか、社会人から院生に転身した人、仕事をしながら、あるいは子育てや介護をしながら研究を続ける人など様々です。
先端研では学問的な専門分野、つまりディシプリン内部の課題の解決に終始するのではなく、現代の世界における先端的問題を探り当て取り組むことを重視しています。この場合の「先端」とは必ずしも「最新」「最前線」を意味しません。歴史の襞に隠れた出来事の再評価が、既成概念を覆すこともあります。世界に向けた「問い」としての新しさと独創性。これが私たちのめざす「先端」です。
 このような問いは複合的でダイナミックです。この問いに分野別の縦割りの知ではなく、横断的かつ総合的な知で接近し、「博士(学術)」にふさわしい学位論文に結実させることが院生の目標となります。院生たちは、それぞれが自分の経験から、あるいは知識や思索を通して見いだした問いを携えてきます。時には野蛮といえるほど素朴な問いであっても、教員たちはその問いの先に博士論文にまで結実する芽があると信じて伴走します。入学時と研究テーマが全く変わることもあります。しかし、それは初発の問いを教員や学友と粘り強く深めた結果なのです。「正しい問いをいかに立てるか」にこそ、研究の成果が表れるとも言えます。
 それぞれの学問分野には、研究者たちが時間をかけて吟味してきた知と方法が蓄積されています。したがって、いずれかの学問分野をまずは「ホーム」にみたてて、研究者としての訓練を積んでいきます。しかし、複合的でダイナミックな問いを見いだして磨き、研究成果に結実させていく営みは、問題意識を特定の学問分野に閉じ込めていては成立しません。「ホーム」以外の専門分野、さらは学界の外に蓄積されている膨大な知と技法に向けて意識を開き、「アウェイ」でのプレイを楽しむことです。
 先端研には、異分野の知識を交換し、共有し、議論して切磋琢磨する他流試合の機会が授業以外にも豊富にあります。たとえば、博士論文・博士予備論文構想発表会学位審査公聴会、『CoreEthics』(先端研発行)の草稿検討会などです。こだわりのテーマをそれぞれ抱えつつ、「アウェイ」での交流を常態とするなかから、専門分野は違っても関心や目標を共有する人々とのプロジェクトが生まれ、それが新たな「ホーム」となります。「自身のテーマを自らの力で徹底的に思考する」(先端研アドミッションポリシー)には、学術分野における研究蓄積に謙虚に学びながら、プロジェクトという新しい知の連携をプロデュースし成果を生み出す力量が必要です。それを引き出し育てるのが先端研の「プロジェクト型教育」であると考えています。先端研の教員は全員大学院専任です。先端研ならではの研究を生み出すために、教員相互で研究プロジェクトを組み、緊密に連携しながら院生指導にあたっています。また先端研では、院生が主宰する「院生プロジェクト」への財政的援助も行なっています。さらに、研究指導助手英語論文指導スタッフなど細やかな研究支援体制を用意しています。
 開設以来、私たちは院生とともに試行錯誤を重ね、多くの修了生と優れた研究成果を生み出してきました。2012年に続き、2013年にもパワフルな教員スタッフを迎えています。先端研の新たな挑戦が始まります。

研究科長 松原 洋子 『履修要項』より

国際コンファレンス「忍び寄るカタストロフィ-その多様性と遍在性-」

企画概要

通常、カタストロフィは突然、特定の場所と時間に降りかかってくるものだと受け止められている。しかしカタストロフィには、別の形態、より正確には別の側面がある。それは、実際にカタストロフィが起きてから見えてくる問題である。すなわちそれは、普段は可視化されておらず、問題の深刻さに事後的に気づく問題であったり、徐々にカタストロフィが迫ってくるがゆえに、逆に事前に対策が打たれることなく、その結果事態がより深刻化する問題であったりする。地球温暖化や地球規模で広がる格差、政治の腐敗、パンデミック、精神疾患、人口のアンバランス等が、カタストロフィのそうした別の形態ないし側面である。今年度のカンファレンスでは、そうした多様かつ遍在する慢性化したカタストロフィが正義の問題とどのように関わるのかに迫る。


国際コンファレンス「忍び寄るカタストロフィ-その多様性と遍在性-」

※クリックでダウンロードできます

開催日時・場所

開催日時:2015年3月23日(月)24日(火)・25日(水)
会場:立命館大学衣笠キャンパス創思館カンファレンスルーム
※入場無料・事前申込不要

Program

March 23 (Doors open at 9:15)

09:45 – K. Watanabe 渡辺公三(立命館大学副総長) Opening Address
10:00 – Eric M. Uslaner (University of Maryland) “Disaster and Trust”
11:15 – W. Sano 佐野亘(京都大学) “Permissible Injustice? The Problem of Corruption in Non-Ideal Theory”
13:30 – Simon. Caney (Oxford University) “Global Environmental Degradation as a Slow Moving Problem: Ethical Responsibilities and Institutional Responses”
14:30 – K. Shimizu 清水和巳(早稲田大学) “How Should We Evaluate Catastrophic Risk”
15:45 – A. Inoue 井上彰(立命館大学) “Prioritarianism in a Catastrophic world”

<Student Session>
16:45 – G. Niu (愛知大学) “A Theoretical Exploration of Corruption in China”
17:10 – 奥田恒 (京都大学大学院)「懐疑論者はいかにカタストロフィに取り組みうるか」
17:35 – 戸谷洋志(大阪大学大学院)「福島第一原発事故をめぐる「カタストロフィ」解釈の諸相」

March 24 (Doors open at 9:30)

※登壇者、スケジュールに変更がありました(3/11)
10:00 – Eric L. HSU (University of South Australia)“Theorizing Slow Moving Disasters in a High-Speed Society”
11:15 – R. Gotoh 後藤玲子(一橋大学) “Gratitude and A Moment of Cooperation”
13:30 – Pierre-Henri Castel (CNRS, Paris) “The Evil Which Comes. Or, What the Prospect of a Remote End of Mankind May Already Change in Our Everyday Ethical Behaviour”
14:30 – M. Osawa 大澤真幸(京都造形芸術大学) “Freedom in the Era of Impossibility”
15:45 – Paul Dumouchel (立命館大学) “Catastrophes and Time”

<Student Session>
16:45 – N. Tajan (Kyoto University) “Mental Health Issues as Slow Moving Catastrophes”
17:10 – 長谷川唯・桐原尚之(立命館大学大学院)「未来予測を根拠とした介入の失考――本人と他人の葛藤場面から」
17:35 – 越智朝芳(立命館大学大学院)「J・G・バラード『クラッシュ』におけるカタストロフィとポルノグラフィ」

March 25 (Doors open at 9:30)

10:00 – Frédéric Keck, (CNRS, Paris) “Biosecurity Practices in Labs and Museums: Sentinels, Simulation, Stockpiling”
11:15 – M. Matsumoto 松元雅和(関西大学) “War as Catastrophe: Considering the Proportionality Principle in Just War Theory”
12:15 – P. Dumouchel (立命館大学) Closing Address and General Discussion

ピーター・ホルワード (Peter Hallward)氏講演会

下記の日程でピーター・ホルワード (Peter Hallward) 講演会を開催いたします。
予約不要、入場無料となっておりますので、ぜひご参加ください。


ピーター・ホルワード (Peter Hallward) 講演会

※クリックで拡大します

講演タイトル

「ジル・ドゥルーズと政治(”Politics after Deleuze: Immanence and Transcendence Revisited”)」

Guest Speaker:ピーター・ホルワード(Peter Hallward)
コメント:千葉雅也(立命館大学)山森裕毅(大阪大学)

開催日時・場所

日時:2015年3月19日(木) 14:00〜17:00
場所:立命館大学 衣笠キャンパス 創思館401・402
使用言語:英語(日本語翻訳配布、質疑応答通訳あり)

主催:科研費基盤(B)プロジェクト「モダニズムの越境性/地域性――近代の時空間の再検討」(研究代表者:中井亜佐子)
共催:立命館大学大学院先端総合学術研究科