2014年度:ビデオゲーム文化研究会

院生代表者

  • 彭 莱

教員責任者

  • 吉田 寛

企画目的・実施計画

本研究会は、ビデオゲームをはじめとするコンテンツ分野に関する歴史・変遷・現状を巡って、特にグローバルな視点から、既存のゲームスタディーズや視覚文化に対する理解を深めながら、将来性を検討することを目的としたものである。本研究会においては、個々分野の分析だけではなく、多数のコンテンツを横断的に概括し、今後のビデオゲームや視覚文化に関する研究の方向と課題の提出を試みる。また、申請者たちはこの研究会を媒介として、各分野に関心を持つメンバーの交流・支援のためのネットワークを構築することも目的として努めてきた。
各研究会では、他研究科や他大学の院生、学生たちも含めておよそ月一回の頻度で研究会を開催し、他研究科や他大学院の院生たち含めて幅広い見地から研究を深めていった。主な内容として、ゲームスタディーズ関連文献、特に今年度の研究会ではゲームスタディーズをこれから学んでいく参加者が多かったため、より基礎的なゲームスタディーズ、ゲームデザイン論の文献である、Katie Salen Tekinbaş, Eric Zimmerman; Rules of Play: Game Design Fundamentals: Massachusetts. The MIT Press, 2003.(『ルールズ・オブ・プレイ-ゲームデザインの基礎-上・下』(山本 貴光訳,ソフトバンククリエイティブ,上巻2011,下巻2013)を輪読、重要な章を要約して発表した。必要に応じて、原著や英語文献にも目を通した。輪読を進めつつ各研究分野に当てはめて具体的に考えることで、参加者の理解度を高めるとともに積極的に発言を行う事に勤めた。

活動内容

・第1回研究会 
日時:2014年7月17日(木)16時30分~19時00分
場所:創思館409号室
内容:初回では『ルールズ・オブ・プレイ』において特に参照される、「第7章 ゲームを定義する」(邦訳上巻収録)を中心に読み進めた。邦訳版と原著との翻訳のニュアンスの違いによる文章の読み方に気を付けて読み進めたほか、著者のジマーマンによるゲームの定義についての記述を読み進める中で、「ゲーム」と「遊び」との関係をどのように考えるべきか、「ゲーミフィケーション」といった、現実、即ち人工的でない空間に影響を与える遊び、ゲームはどのように定義すればよいかなどについて、それぞれが意見を出し合い、活発に議論を行う事が出来た。

・第2回研究会 
日時:2014年7月30日(木)13時00分~16時00分
場所:創思館411
内容:第2回目には本研究会のメンバーに加え、他大学の学生も参加した。参加者の提案により、同じくゲーム研究において参照され、また遊戯文化研究においても多分に関わるものである、「第9章 魔法円」(邦訳上巻収録)を中心に輪読した。この章における議論の原点である『ホモ・ルーデンス』(ヨハン・ホイジンガ原著,高橋英夫訳,中央公論新社 ,1973)も参照しながら読み進めつつ、魔法円という、遊びの始まりと終わりに関わる事について議論していく中で、魔法円という概念によるゲーム空間の構造に関する詳細及び、その理論を使う事の限界について理解することが出来た。

・第3回研究会 
日時:2014年10月27日(月)10時30分~13時00分
場所:創思館411号室
内容:参加者の提案により、1~2回で読み進めた内容を改めてまとめなおしたものと言える「第22章 ゲームを定義する」(邦訳下巻収録)の章を中心に読み進めた。本文中に依拠していたロジェ・カイヨワの『遊びと人間』(多田道太郎、塚崎幹夫訳、講談社、1990)の遊びの四分類の定義を参照しつつ理解を深めていった。その中で、「ゲーム」と「遊び」という言葉が持つ意味と、その定義がどのように今まで行われてきたのか、実際に我々はどのように扱えばいいのか、という問題と、「シリアスゲーム」のような教育にゲームを取り扱うといった、現実世界における「ゲーム」の利用は「遊び」と言えるのかどうかなど、「ゲーム」と「遊び」という言葉が持つ諸問題について活発に議論を深めることができた。

・第4回研究会 
日時:2014年11月25日(火)13時00分~16時00分
場所:創思館406号室
内容:参加者の提案により、今までの遊戯論、ゲームデザイン論の整理、分析が多い『ルールズ・オブ・プレイ』の中で、独自の主張を特に発信し、現代のゲームに関する言及が多いと思われる「第14章 創発システムとしてのゲーム」(邦訳上巻収録)の部分を中心に読み進めた。結果として、ジマーマンが提示した、新しいゲームやシステムが作られる中で生まれる、遊びの要素の「emergence(邦訳では創発)」に関する記述について理解を深めた。それを踏まえ、ビデオゲームにおける「遊び」の要素が如何に、どこで生まれるのか、また最終的にデジタルゲームとアナログゲームにおける創発の違いなど、ゲーム研究における、特にデジタルゲームに独自に存在するものを中心とした議論を深める事が出来た。

成果及び今後の課題

本研究会では特に原著を中心とした内容把握とともに、ゲーム研究における基礎部分を理解するため、詳細に章を要約し、またゲーム研究の前提となる遊戯論の基本文献も参照して読んでいく事を重視した。参加者が特に重視したい章を中心的に取り上げていく事で、参加者が活発に発言でき、よりゲーム研究についての理解を深める事が出来た。
当初は基本文献の中で『ルールズ・オブ・プレイ』だけではなく、様々な英語文献も読み進めて理解を進める事を予定していたが、結果としては『ルールズ・オブ・プレイ』の読解のみに留まってしまい、他の文献を読み進められなかったことが反省点に挙げられる。これからゲーム研究を進めていく参加者が、ゲーム研究の基礎を整理し、共通の理解を得た上で活発な議論を行えた事は本研究会の成果であると考えられる。
 今後もこのような研究会を行い、参加者間におけるゲーム研究に関する理解を深めつつ、これについてより議論を行う場を作る事を考えている。また、ただ読み進め、議論を進めるだけではなく、研究会での内容を踏まえた発表や、論文作成へと発展させていきたい。

構成メンバー

ホウ ライ(表象領域・2010年度入学・代表者)
リョウ ウキ (表象領域・2012年度入学・研究分担者)
川崎 寧生 (表象領域・2008年度入学)
シン ジュヒョン (表象領域・2014年度入学)
ショウ ガン (表象領域・2014年度入学)

2014年度:ドイツ語文献購読研究会

院生代表者

  • 奥坊 由起子

教員責任者

  • 吉田 寛

企画目的・実施計画

 本研究会は、前年度まで行ってきたドイツ語文献講読研究会を継承し発展させるものであり、ドイツ語文献の読解力のさらなる向上を目指すことを目的として企画された。
 実施計画は1年を通して隔週で研究会を開催することを目標とし、前期にG. AdlerのHandbuch der MusikgeschichteとF. RuppertのTrauma, Angst und Liebeの講読を行い、後期にはドイツ刑法の文献を講読する計画をたてていた。

活動内容

 今年度の研究会開催は、おおむね計画通り進めることができた。今年度に用いた主要テキストにG. AdlerのHandbuch der Musikgeschichteがあり、その精読を通じてドイツ語論文の読解力を鍛えると同時に、さらに接続法や比喩が多用される文学テキストにも慣れることを目指して、F. KafkaのBetrachtungも並行して講読を進めた。

成果及び今後の課題

 本研究会は単にドイツ語テキストを読むだけではなく、そこで培った語学力を活かした論文の執筆・発信を最終的な目標として掲げてはいるものの、今年度は残念ながら研究会での成果として挙げられるような論文を準備するまでには至らなかった。それは今後の課題とし、さらに成果の向上に励みたい。

構成メンバー

モリカイネイ  共生領域・2009年度入学
奥坊由起子  表象領域・2012年度入学
番匠健一  生命領域・2005年度入学
角田あさな  表象領域・2009年度入学

千葉雅也:2014年度業績一覧

著書

・河出書房新社編『ずるずる、ラーメン』、千葉雅也「タナトスのラーメン」、82-85頁、河出書房新社、2014年6月。
・千葉雅也『別のしかたで―ツイッター哲学』、河出書房新社、2014年7月。

論文

・千葉雅也「言語、形骸、倒錯―松浦寿輝『明治の表象空間』について」、『新潮』第111巻9号、226-230頁、2014年9月。

その他の出版物

・(被取材)千葉雅也「わかりやすさを捨てる」、『AERA』、第1443号、2014年3月。
・(討議)國分功一郎・佐藤嘉幸・千葉雅也・堀千晶「『ドゥルーズの哲学原理』と『動きすぎてはいけない』」、『表象』第8号、102-140頁、2014年4月。
・(批評)千葉雅也「タナトスのラーメン―きじょっぱいということ」、『群像』第69巻4号、122-123頁、2014年4月。
・(書評)千葉雅也「ナタリー・サルトゥー=ラジュ『借りの哲学』」、共同通信、2014年4月。
・(被取材)千葉雅也「私が大学生だったころ」、『代ゼミジャーナル』、第627号、2014年4月。
・(批評)千葉雅也「批判から遠く離れて―2010年代のツイッター」、『一冊の本』、第19巻6号、43-45頁、2014年6月。
・(対談)千葉雅也・福田和也「文壇アウトローズの世相放談「これでいいのだ!」、『SPA!』、第 63巻22号、140-143頁、2014年7月。
・(対談)千葉雅也・福田和也「文壇アウトローズの世相放談「これでいいのだ!」」、『SPA!』、第63巻24号、128-131頁、2014年7月。
・(被取材)千葉雅也「著者に会いたい:『別のしかたで―ツイッター哲学』」、『朝日新聞』、2014年7月27日号、2014年7月。
・(書評)千葉雅也「ティム・インゴルド『ラインズ―線の文化史』」、『日本経済新聞』、2014年7月13日号、2014年7月。
・(批評)千葉雅也「イケメンであるとされるということ」、『ユリイカ』、 第46巻10号、8-9頁、2014年7月。
・(討議)柴田英里・千葉雅也・星野太「イケメノロジーのハードコア」、『ユリイカ』、第46巻10号、10-25頁、2014年7月。
・(聞き手)飯伏幸太へのインタビュー(聞き手:千葉雅也)「あらゆるところにプロレスを―路上に巻き起こるディアレクティケー」、『ユリイカ』、第46巻10号、232-237頁、2014年7月。
・(被取材)千葉雅也「この人のスケジュール表」、『週刊文春』第56巻33号、 68頁、2014年8月。
・(被取材)千葉雅也「著者来店:『別のしかたで―ツイッター哲学』」、『読売新聞』、2014年9月7日、2014年9月。
・(被取材)千葉雅也「年収400万円でも幸せに生きる方法とは?」、『SPA!』、第63巻32号、45頁、2014年9月。
・(被取材)千葉雅也、ブックガイド作成(特集:選択する勇気)、『anan』、第1924号、2014年10月。
・(被取材)千葉雅也「スルーする力」、『朝日新聞』、2014年10月7日、2014年10月。
・(被取材)千葉雅也「哲学者の夢」、『BRUTUS』、第36巻2号、72頁、 2015年1月。
・(被取材)蘆田裕史・千葉雅也「均質化するファッション」、『朝日新聞』東京版、2015年1月8日夕刊、2015年1月。
・(インタビュー)千葉雅也(聞き手:岡嶋隆佑)「思弁的実在論と新しい唯物論」、『現代思想』、第43巻1号、70-88頁、2015年1月。
・(被取材)千葉雅也「イケメンブームで男性は「見られる者」になった」、『PRESIDENT』、第53巻1号、97頁、2015年1月。
・(討議)墨谷渉・千葉雅也・羽田圭介「後ろ暗さ」のエコノミー―超管理社会とマゾヒズムをめぐって」、『早稲田文学』、第10号、33-40頁、2015年2月。

学会発表

・Masaya Chiba, “Desert Island and “Friday” : An Approach to the Problem of Alterity in Deleuze,” The 2nd International Deleuze Studies in Asia Conference, Osaka University, Osaka, 8, Jun, 2014.
・千葉雅也「強度・空間・時間」、第37回日本精神病理学会シンポジウム「強度の精神病理」、東京藝術大学・上野(東京)、2014年10月5日。

講演・対談など

・(討議)東浩紀・小泉義之・千葉雅也「サイコパスの哲学へ―欲望と暴力について」、於:ゲンロンカフェ、2014年4月4日。
・(講演)千葉雅也「ポスト構造主義以後」の観点から情報社会を考察する」、NTTコミュニケーション科学基礎研究所オープンハウス2014、於:NTTコミュニケーション科学基礎研究所(京都)、2014年6月5日。
・(講演)千葉雅也「近代日本語における倒錯の問題」、岡田温司ゼミ、於:京都大学・吉田(京都)、2014年7月31日。
・(講演)千葉雅也「動きすぎてはいけない―ドゥルーズ哲学案内」、於:朝日カルチャーセンター京都、2014年9月6日。
・(討議)海猫沢めろん、斎藤哲也、鈴木謙介、千葉雅也、永田夏来、西森路代「別のしかたで弱いつながりを読み、ウェブ社会のゆくえを考える」、TBS RADIO 文化系トークラジオ Life・大阪府立大学まちライブラリー共催、於:大阪府立大学まちライブラリー(大阪)、2014年9月27日。
・(対談)江川隆男・千葉雅也「江川隆男『アンチ・モラリア―〈器官なき身体〉の哲学』」、ドゥルーズ科研合同研究会 ’14、グランフロント大阪、2014年11月30日。
・(講演)千葉雅也「文化現象としての思弁的実在論(序説)」、第18回新潟哲学思想セミナー、於:新潟大学、2015年1月23日。
・(講演)千葉雅也「意味をもちすぎない切断」、立命館大学大学院先端総合学術研究科主宰ワークショップ「踏みとどまる思考―『動きすぎてはいけない』を読む」(山口尚の発表「非意味の意味の可能性―『動きすぎてはいけない』への応答」への応答)、於:立命館大学・衣笠(京都)、2015年1月31日。
・(コメント)Sandra Laugierの講演「テレビドラマ」≪ Les series televisee ≫ に対して、第4回デジタル・ショック、於:アンスティチュ・フランセ東京、2015年3月17日。
・(コメント)Peter Hallwardの講演「ジル・ドゥルーズと政治」“Politics after Deleuze: Immanence and Transcendence Revisited” に対して、於:立命館大学・衣笠(京都)、2015年3月19日。

受賞

・表象文化論学会賞(第5回)、『動きすぎてはいけない』に対して。

学会活動

・表象文化論学会企画委員

その他の活動

・(審査員)TOKYO FRONTLINE PHOTO AWARD #4、於:東京都現代美術館、2014年5月31日。

竹中 悠美:2014年度業績一覧

話したこと(発表、その他)

・(コメント)第30回民族藝術学会創立30周年記念大会、2014年4月21日、於:国立民族学博物館
・(コメント)第1回「風景のイメージとその人類学的諸相」研究会 2014年6月20日、於:立命館大学修学館
・(コメント)同志社大学人文科学研究所 第18期第11研究6月例会、2014年6月21日、於:同志社大学
・(コメント)院生プロジェクト「芸術経験と作品存在の哲学的解釈学的研究」第1回研究会、2014年7月19日、於:立命館大学朱雀キャンパス312教室
・(コメント)第2回「風景のイメージとその人類学的諸相」研究例会 2014年9月17日、於:立命館大学アートリサーチセンター
・(コメント)第12回 評論を書くことを考えてみる会<写真を評論する>、2014年10月4日、於:GALLERY Ami-Kanoko
・(コメント)院生プロジェクト「美術史学的キュレーション研究」第1回研究会、2014年10月7日、於:立命館大学創思館
・(コメント)第65回美学会全国大会、2014年10月12日、於:九州大学
・(コメント)院生プロジェクト「美術史学的キュレーション研究」第2回研究会、2014年10月14日、於:立命館大学創思館
・(コメント)院生プロジェクト「美術史学的キュレーション研究」第3回研究会、2014年10月25日、於:国立京都近代美術館
・(コメント)院生プロジェクト「芸術経験と作品存在の哲学的解釈学的研究」第2回研究会、2014年10月26日、於:立命館大学朱雀キャンパス312教室
・(コメント)第3回「風景のイメージとその人類学的諸相」研究例会、2014年12月5日、 於: 立命館大学衣笠キャンパス学而館第1研究会室
・(コメント)院生プロジェクト「芸術経験と作品存在の哲学的解釈学的研究」第4回研究会、2014年12月14日、於:立命館大学朱雀キャンパス312教室
・(コメント)第4回「風景のイメージとその人類学的諸相」研究例会、2014年12月19日、 於: 立命館大学衣笠キャンパス学而館第3研究会室
・(コメント)同志社大学人文科学研究所 第18期第11研究12月例会、2014年12月27日、於:同志社大学
・(研究発表)「災害のランドスケープ ─1920-30年代の日本とアメリカ─」第5回「風景のイメージとその人類学的諸相」研究例会、2015年1月9日、 於: 立命館大学衣笠キャンパス学而館第2研究会室
・(コメント)院生プロジェクト「美術史学的キュレーション研究」第4回研究会、2015年1月13日、於: 立命館大学創思館412室
・(コメント)第6回「風景のイメージとその人類学的諸相」研究例会、2015年2月13日、 於: 立命館大学衣笠キャンパス志学館121教室
・(研究発表)「1930年代アメリカの災害表象における文学的救済と写真的呵責」文芸学研究会第57回研究発表会、2015年2月21日、於:立命館大学朱雀キャンパス304教室
・(コメント)院生プロジェクト「美術史学的キュレーション研究」第5回研究会、2015年2月27日、於: 立命館大学創思館412室
・(司会)シンポジウム 「ノマドとしてのイメージ ─ハンス・ベルティンク『イメージ人類学』再考」立命館国際言語文化研究所主催、2015年3月16日、於:立命館大学アート・リサーチセンター

学会活動・社会活動

・所属学会:美学会、 美術史学会、 日本アートマネジメント学会、 民族藝術学会、 American Society for Aesthetics(アメリカ美学会)、 International Association for Aesthetics(国際美学連盟)、College Art Association(アメリカ美術史学会)
・美学会機関誌『美学』外部査読委員

海外出張

・2014年8月11日~8月16日 ワシントンD.C.のアメリカ議会図書館のFarm Security Administration/Office of War Information Collectionとカリフォルニアのオークランド美術館のドロテア・ラング・アーカイヴの現地調査( 科研基盤研究(C)「ニューディール政策の写真プロジェクトにおける〈貧困〉と〈被災〉の表象」予算)

西成彦:2014年度業績一覧

著書・編著(共著・共編を含む)

・2014.11.30 『バイリンガルな夢と憂鬱』(人文書院)1-277.

雑誌論文

・2014.08.31「在日朝鮮人作家の「母語」問題――李恢成を中心に」in『比較文學研究』(東大比較文学会)99号、7-32

その他、活字になったもの

・2014.06.20「「移動文学/比較文学者にとって「移動」とは何か」(エッセイ)in『跨境』(東アジア同時代日本語文学フォーラム×高麗大学校日本研究センター)創刊号、12-15
・2014.07.15「在日文学と言語戦争」(口頭発表再録)in『植民地文化研究』第13号、10-17
・2014.10.30「差別と文学――漱石『三四郎』を読み直す」(座談会再録:小森陽一×富岡多恵子×西成彦)in『夏目漱石『三四郎』をどう読むか』(河出書房新社)62-77

講演ほか、話したこと

・2014.05.27 「日本語文学の国境と辺境」(講演)於:ワルシャワ大学東洋語学科
・2014.07.18 「『異郷の中の故郷』上映会&トーク(司会)主催:国際言語文化研究所、於:以学館・
・2014.07.21 「敗戦/引揚げ/性暴力:『竹林はるか遠く』ブームを問い直す」(司会)生存学研究センター〈ジェンダー論セミナー〉、於:朱雀キャンパス多目的ルーム
・2014.09.21 「コロンブス暦「第六世紀」の「アメリカ大陸文学」と「五つの大きな舌」――オランダ領アンチルの位置」(研究発表)in環カリブ文化研究会、於:末川記念会館
・2014.09.23 世界文学・語圏横断ネットワーク第1回研究集会「第3セッション:「マイナー文学」をどう理解するか」(司会) 於:創思館カンファレンスルーム
・2014.10.19 パネル発表「盲目の〈視覚性〉――日本文学と盲目」(コメンテータ)in日本近代文学会、於:広島大学
・2014.10.25 「比較植民地文学の試み――交叉的な読書について」inシンポジウム「日本文学における越境の諸相」於:名古屋市立大学
・2014.10.31 連続講座「西川長夫/業績とその批判的検討〈第5回〉新植民地主義論の射程」(司会)於:創思館カンファレンスルーム
・2014.11.01 「大辻都『渡りの文学』を読む」(司会) in環カリブ文化研究会、於:末川記念会館
・2014.11.22 シンポジウム「『こころ』から百年」(司会)in 日本比較文学会関西大会、於:広島大学
・2014.12.19 「大城立裕と琉球系日本語文学」(招待講義)inサンパウロ大学文学部
・2015.02.12 「公開ワークショップ:日韓の境界を越えて①帝国日本の擬人法」(司会) 於:末川記念会館
・2015.02.22 「公開ワークショップ:日韓の境界を越えて②「帝国の慰安婦」という問いの射程」(司会) 於:以学館
・2015.03.19 世界文学語圏横断ネットワーク第2回研究集会「第1セッション:「母語」と現代文学」(中川成美氏と共同司会)、於:東京外国語大学
・2015.03.19 世界文学語圏横断ネットワーク第2回研究集会「シンポジウム:世界文学と日本文学」(パネリスト)、於:東京外国語大学

学外研究(2014.04.01-2015.03.31)

学会活動

・日本比較文学会理事、および関西支部幹事・支部長(2013.06.01より)
・ICLA(国際比較文学会)会員、日本台湾学会会員、植民地文化学会会員、宮沢賢治学会会員

海外出張

・2014.05.20-07.11 ポーランド・ワルシャワ市(学外研究の一部)
・2014.11.25-2015.01.16 ブラジル・サンパウロ市(学外研究の一部)

小川 さやか:2014年度業績一覧

書いたこと

・「第三章タンザニアにおける衣料品の消費行動に関する考察―中古衣料品と中国・東南アジア製衣料品の供給システムの違いに着目して」小島道一編『国際リユースと発展途上国』アジア経済研究所, pp.36-61.
・京都新聞「現代のことば 消費と祭り」2014年5月19日夕刊
・週刊読書人「2014年上半期の収穫」2014年7月25日号.
・「日本の中古品は中国の新品より売れる」『Wedge』(株式会社ウェッジ)9月号, pp.34-37.
・「グローバルな消費のモードと連接するローカルな生産・流通のモード」『民博通信』(国立民族学博物館)146号, pp.22-23.
・「動く人 都市の不確実性に身をゆだねる」『at プラス』22巻(太田出版), pp.50-69
・「Living for Todayの人類学 わたしたちは「怠け者」に憧れている?」『小説宝石』(光文社)1巻, pp.76-83.
・「Living for Todayの人類学 最小限の努力で生きる「情の経済」社会」『小説宝石』(光文社)2巻, pp.100-107.
・「Living for Todayの人類学 タンザニア都市住民の予定表のない生き方」『小説宝石』(光文社)3巻, pp.76-83.
・「Living for Todayの人類学 中国とアフリカにみる「下からのグローバル化」『小説宝石』(光文社)4巻, pp.100-107.
・「書評:三尾裕子・床呂郁哉編『グローバリゼーションズ―人類学,歴史学,地域研究の現場から』」『コンタクト・ゾーン』(京都大学人文科学研究所)6号, pp.247-253.
・「第6章 脳内コックピット探訪記 アフリカの路上と,その日暮らしの狡知」椿昇編『椿昇からコックピットへ』産学社,pp28-37.

その他:新聞取材など)

・産経新聞「新関西笑談 アフリカの路上から(1)」10月27日夕刊
・産経新聞「新関西笑談 アフリカの路上から(2)」10月28日夕刊
・産経新聞「新関西笑談 アフリカの路上から(3)」10月29日夕刊
・産経新聞「新関西笑談 アフリカの路上から(4)」10月30日夕刊
・産経新聞「新関西笑談 アフリカの路上から(5)」10月31日夕刊
・ラジオ大阪「里見まさとのおおきに!サタデー」10月25日放送

話したこと

・(口頭発表)“The Unionization of Street Traders: The Riots and Politics of the Street in Tanzania”, In International Union of Anthropological and Ethnological Sciences (IUAES), 2014年5月16日,於幕張メッセ,千葉.
・(講演)「仕事は仕事のダイナミズム―中国―アフリカ間の模造品/インフォーマル交易」,大阪北ロータリークラブ例会,2014年5月21日,於新阪急ホテル,大阪.
・(パネリスト)若手企画「労働文化と文化労働―その緊張関係を問う」関西社会学会第65回学術大会,2014年5月24日,於富山大学,富山.
・(講演)「路上空間は誰のもの?」阪神シニアカレッジ,2014年6月12日,於尼崎女性センター,兵庫.
・(口頭発表)「模造品の増殖をめぐる複ゲーム状況―エージェンシー研究の展望と可能性」国立民族学博物館共同研究『エージェンシーの定位と作用』(代表:杉島敬志),2014年7月5日,於国立民族学博物館,大阪.
・(講演)「もう一つのチャイニーズドリーム―中国~アフリカ間の模造品交易」第10回MUCL講演会,2014年10月10日,於神田外語大学,千葉.
・(講師)「タンザニアのたくましい路上商人」高大連携事業,2014年12月17日,於堀川高校,京都.
・(口頭発表)「東アフリカ都市商人の組合化と暴動―インフォーマリティの再考」東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所共同研究『現代アフリカにおける<国家的なもの>に関する研究:ニューメディア・グローバリゼーション・民主主義』(代表:内藤直樹),2015年3月30日,於東京外国語大学,東京.

学会等の活動

・(所属学会)日本アフリカ学会,日本文化人類学会,関西社会学会
・(編集委員等)京都大学人文科学研究所紀要『コンタクト・ゾーン』編集委員
・(主催研究会)国立民族学博物館共同研究『現代消費文化に関する人類学的研究』
・(共同研究員)国立民族学博物館『贈与論再考』(代表:岸上伸啓),アジア経済研究所共同研究『国際リユースと発展途上国』(代表:小島道一),国際日本文化研究所『21世紀10年代日本の軌道修正』(代表:稲賀繁美)
・(研究会の企画)立命館大学生存学研究センター企画『目の前のアフリカ』,立命館大学国際言語文化研究所『アフリカ社会と笑い』(代表:岩田拓夫)

非常勤講師

・大阪大学「政治経済の人類学」(夏季集中講義)

海外出張

・2014年9月8日から28日までタンザニアに渡航し,タンザニア北西部のアルーシャ市において森林資源の流通・活用について調査を実施した(資金:科学研究費補助金A代表池野旬京都大学のプロジェクト).2014年2月14日から2月17日までもタンザニアに渡航し同調査を行った.その後2月18日から3月2日までタンザニアにて,ケニア経由で輸入される模造品(特に携帯電話)の消費行動に関する調査をおこなった(資金:科学研究費補助金若手B).また3月8日から13日まで中国浙江省杭州市を経由して義烏市に渡航し,世界最大の卸売市場とされる国際商貿易城等においてアフリカ系交易人の買いつけや取引のしくみについて調査した(資金:個人研究費).

松原洋子:2014年度業績一覧

論文等

・松原洋子, 「書評 湯浅俊彦編著『デジタル環境下における出版ビジネスと図書館―ドキュメント「立命館大学文学部湯浅ゼミ」』」,『国際公共経済研究』, 査読なし,(25): 260-261,2014年9月.
・松原洋子,「アクセシブルな電子図書館と読書困難な学生の支援??日本における大学図書館サービスの課題と展望」,『立命館人間科学研究』,査読なし,(31): 65-73, 2015年2月.
・松原洋子,「障害者差別解消法の高等教育機関における障害学生支援への影響」,『大学図書館問題研究会誌』,査読なし,(39): 3-10・25-31, 2015年3月.

報告等

・松原洋子,「生命倫理学と科学史-日本優生学史の自律性と批判性をめぐって」,ワークショップ「生命倫理学の歴史を語ること、その陥穽」,立命館大学衣笠キャンパス,2014年6月28日. 
・松原洋子,「日本における出生前スクリーニング検査ガバナンスの課題」,日本科学史学会第61回年会,日本科学史学会,酪農学園大学,2014年5月24日.

講演等

・柳原良江・松原洋子,『卵子提供─美談の裏側』上映会(対談),代理出産を問い直す会・立命館大学生存学研究センター,立命館大学衣笠キャンパス、2014年6月7日.
・松原洋子,「障害者差別解消法の高等教育機関における障害学生支援への影響??図書館資料のテキストデータ提供を中心に」(講演),大学図書館問題研究会第45回全国大会オープン・シンポジウム「障害者差別解消法の高等教育機関における支援への影響と,著作権法37条ガイドライン」,山形大学小白川キャンパス,2014年8月25日.
・松原洋子,「出生前診断、何が問題か??技術・倫理・社会」(講演),立命館大阪オフィス講座, 2014年12月4日.
・松原洋子,「書籍の電子化と図書館のアクセシビリティ向上」(講演),平成26年度大阪府図書館司書セミナー,大阪府立中央図書館,2014年12月9日.
・松原洋子,UTCP-L2・生存学研究センター合同シンポジウム「出生をめぐる知/技術の編成」(全体コメント),東京大学大学院総合文化研究科附属 共生のための国際哲学研究センター(UTCP) 上廣共生哲学寄附研究部門L2プロジェクト「共生のための障害の哲学」・立命館大学生存学研究センター,東京大学駒場キャンパス,2015年2月24日.
・松原洋子,「図書館のアクセシビリティ向上??電子書籍の活用を中心に」(講演),平成26年度兵庫県図書館協会第2回研究集会,三田市立図書館,2015年2月26日.
・松原洋子,「選別される「いのち」??優生学と人間社会(講演)」(講演),平成26年度 ジェンダーで社会を考える講座(新潟市男女共同参画推進センター),2015年3月1日.
・松原洋子,「中村禎里と冷戦期日本の生物学史研究」(指定発言),日本科学史学会生物学史分科会,順天堂大学医学部,2015年3月15日.

プロジェクト

・三田市立電子図書館アクセシビリティに関する実証実験(大日本印刷株式会社と立命館グローバル・イノベーション研究機構(R-GIRO)研究プログラム「電子書籍普及に伴う読書アクセシビリティの総合的研究」の共同研究),2015年1月?3月.
・科学研究費補助金「金高等教育機関における障害者の読書アクセシビリティの向上:ICTによる図書館の活用」(基盤B、2013?2015年)研究代表者
・立命館グローバル・イノベーション研究機構(R-GIRO)研究プログラム「電子書籍普及に伴う読書アクセシビリティの総合的研究」(2011?2015年)代表者
・立命館大学生存学研究センター2014年度若手研究者研究力強化型プロジェクト「出生をめぐる倫理研究会」代表者
・人間科学研究所研究プロジェクト「読書障害学生支援における大学図書館の課題」代表者
・科学研究費補助金「視覚障害当事者の共同自炊型オンライン電子図書館を実現するための条件に関する研究」(基盤A,2012?2015年、研究代表者石川准)研究分担者
・「「薬害教育」に向けた多声的「薬害」概念の提起」(基盤B、2013?2015年度、研究代表者山田富秋)研究協力者

・文部科学省私立大学戦略的研究基盤形成支援事業「インクルーシブ社会に向けた支援の<学=実>連環型研究」(立命館大学人間科学研究所)、「テーマ5 社会的包摂と支援に関する基礎的研究」研究参加者

学会活動

日本科学史学会全体委員・和文誌委員、日本生命倫理学会評議員・理事・企画委員会委員長・編集委員会委員、日本科学史学会生物学史分科会『生物学史研究』編集委員、日本学術会議第22期・第23期連携会員(第一部史学)、日本科学史学会・日本生命倫理学会・日本科学史学会生物学史分科会・日本医史学会・日本医療保健社会学会・科学技術社会論学会・科学社会学会・国際公共経済学会会員
                               

研究会等の関連企画

・ワークショップ「生命倫理学の歴史を語ること、その陥穽」,立命館大学衣笠キャンパス,2014年6月28日. 
・ワークショップ「生殖医療に関する研究会」(南デンマーク大学との研究交流企画),立命館大学衣笠キャンパス,2014年11月28日.
・立命館大学生存学研究センター若手研究者研究力強化型プロジェクト 出生をめぐる倫理研究会 公開研究会「日本における不妊カウンセリングの現状と課題」,立命館大学衣笠キャンパス,2015年2月28日.
・立命館大学生存学研究センター若手研究者研究力強化型プロジェクト 出生をめぐる倫理研究会 公開研究会「出生をめぐる倫理と里親養育」,キャンパスプラザ京都,2015年3月24日.

小泉義之:2014年度業績一覧

単著

・『ドゥルーズと狂気』(河出書房新社)378p

論文

・「人格障害のスペクトラム化」『現代思想』 42(8), pp. 144-163, 2014-05
・「暴力の性化と享楽化の此方(彼方)へ」『ユリイカ』 46(12), pp. 171-176, 2014-09
・「物化せよ、存在者化せよ」『現代思想』 43(1), pp. 46-57, 2015-1
・「No Sex, No Future」『ユリイカ』 46(16), pp. 179-186, 2015-1
・「狂気の真理への勇気」『HAPAX』 vol. 3, pp. 17-31, 2015-2

2015年度国際コンファレンス「カタストロフィと正義」 移民/難民とカタストロフィ Migration and Catastrophes

日時

2016年3月6日(日)・7日(月)

会場

立命館大学 衣笠キャンパス 創思館 カンファレンスルーム

概要

本企画では、立命館大学言語文化研究所重点研究プログラム「カタストロフィと正義」(代表者:Paul DUMOUCHEL)の一環として、古くから問題とされ、昨今シリア難民の受け入れをめぐって先鋭的に議論されている「移民/難民のカタストロフィ的状況」に焦点を当て、規範理論(とくに正義論)、社会学、人類学の観点から多角的に検討する。

国際コンファレンス「移民/難民とカタストロフィ」

招待講演者(敬称略)

Paul DUMOUCHEL(立命館大学)
Chris FLEMING(University of Western Sydney)
Lukas SOSOE(University of Luxembourg)
Christopher Heath WELLMAN(Washington University, St. Louis)
安藤 馨(神戸大学)
井上 彰 (立命館大学)
後藤 玲子(一橋大学)
塩原 良和(慶應義塾大学)
南川 文里(立命館大学)
森村 進(一橋大学)

Student Sessionの報告者(敬称略)

岸見 太一(早稲田大学)
福原 正人(東京大学)
八木 達祐(立命館大学)
番匠 健一(立命館大学)

プログラム

March 6

09:15 – 開場
09:45 – 10:00 Kozo Watanabe(Vise President, Ritsumeikan University 立命館大学副総長)Opening address
10:00 – 11:00 Christopher Health Wellman(Washington University, St. Louis)”The Ethics of Migration During Crises”
11:00 – 11:15 coffee break
11:15 – 12:15 Kaoru Ando(Kobe University 神戸大学)”Ethics of State Control over Immigration”
12:15 – 13:30 lunch
13:30 – 14:30 Akira Inoue(Ritsumeikan University 立命館大学)”On the Ownership Approach to Immigration”
14:30 – 15:30 Susumu Morimura(Hitotsubashi University 一橋大学)”Is It Justifiable to Exclude Immigrants?”
15:30 – 15:45 coffee break
15:45 – 16:45 Paul Dumouchel(Ritsumeikan University 立命館大学)”Justice for People on the Move”

<Student Session>

16:45 – 17:15 Taichi Kishimi(Waseda University 早稲田大学)”Towards Transnational Justice for Refugees and All Relevant Others”
17:15 – 17:45 Masato Fukuhara(The University of Tokyo 東京大学) ”Exclusion and Territory”

March 7

09:30 – 開場
10:00 – 11:00 Lucas Sosoe(University of Luxembourg)”Being Refugee in Europe: Searching for a Home Away from Home”
11:00 – 11:15 coffee break
11:15 – 12:15 Yoshikazu Shiobara(Keio University 慶應義塾大学)”Immigrants and Catastrophes in their Home Countries:”3.11″ and Japanese Community in Australia”
12:15 – 13:30 lunch
13:30 – 14:30 Reiko Gotho(Hitotsubashi University 一橋大学)”Welfare State for Trans-Positional Rootless Wanderers”
14:30 – 15:30 Chris Fleming(University of Western Sydney)”Signs of the Times: The Migration of Catastrophe”
15:30 – 15:45 coffee break
15:45 – 16:45 Fuminori Minamikawa(Ritsumeikan University 立命館大学)”Refugees in Japanese America: Immigration, Gender, and Memories of War in 1950s”

<Student Session>

16:45 – 17:15 Tosuke Yagi(Ritsumeikan University 立命館大学)「観光客との遭遇を日常化する:ケニア・ナイロビのスラムツアーに関する一考察」
17:15 – 17:45 Kenichi Bansho(Ritsumeikan University 立命館大学)「災害難民とコロニアニズムの交錯:十津川村の北海道への移動の記憶と語り」
17:45 – 18:00 Masahiko Nishi(Dean, Graduate School of Core Ethics and Frontier and Sciences, Ritsumeikan University 立命館大学大学院先端総合学術研究科長)Closing address

使用言語

Student Sessionの一部を除き英語です。ただし、質疑応答時に通訳が付きますので、日本語でのご質問もお受けします。

*改訂版の詳細ポスター・プログラム(PDFファイル)はこちら
*西村めぐみ(立命館大学)の発表は都合により取りやめになりました。開会挨拶の担当者も変更になりました。

「音楽と社会」研究会

院生代表者

  • 堤万里子

教員責任者

  • 千葉 雅也

活動内容

  • シンポジウム 音楽が生起するとき―出会う《職業人・愛好者・大衆》―


    音楽が生起するとき―出会う《職業人・愛好者・大衆》

    ※クリックでPDFファイルダウンロード。

    日時:2016年1月23日(土)15:00~18:00
    場所:立命館大学衣笠キャンパス創思館303・304
    アクセス
    キャンパスマップ

    【内容】
    15:00~16:15 基調講演
    登壇者(敬称略、五十音順)※タイトルは変更となる可能性があります。
     高橋かおり(早稲田大学 文化社会学)
      「「趣味」だけど/だからこそ――アマチュア芸術活動実践を通じての一考察」
    要旨
     本報告では、首都圏で社会人劇団やアマチュアオーケストラで活動する人たちの語りを通じて、「趣味」として芸術活動を続けている参加者のキャリアと、彼らの芸術活動に対する意味付けを読み解く。そして彼らに光を当てることにより、「アマチュアらしさ」を描き出すと同時に、アマチュアならではの困難さについて議論する。
     プロの対義語としてアマチュアは定義されるが、プロになれなかった人だけがアマチュアなのではない。積極的にアマチュアであることを選ぶ人も存在する。そして、演劇にしてもオーケストラにしても、アマチュアの芸術活動は生活を支える仕事と対比される。なかには、余暇を行いやすい仕事を選択する人もいる。アマチュア活動はほとんどの場合自己支援的であり、多くの時間やお金を投資して「趣味」として楽しまれるのである。
     しかし、結婚や出産、仕事との関連など、「趣味」だからこそ活動を中断せざるを得ないこともある。アマチュアの芸術活動を支える基盤は、単なる芸術活動支援にとどまらず、広く生活環境や労働環境を整えることによって達成される。単なる「趣味」だけど彼らにとっては生きていくために重要な要素なのであり、むしろ「趣味」だからこそ、ある程度制限されているからこそ、参加者はその範囲内で自由に楽しみ、芸術活動に打ち込むことができるのである。

     山本美紀(奈良学園大学 音楽学・音楽教育学、著書『音楽祭の戦後史――結社とサロンをめぐる物語』
      「音楽を媒介とする場の考察から―宗教・教育・音楽祭―」
    要旨
     ある時「問題は、近代という<理性>において、宗教は社会を有機的にまとめるという機能をもはや果たすことができない、ということである。今日、宗教がこの力を失い、もはやそれを取り戻すことができないのは、科学者や哲学者のせいではない。『普通の』人々という大きな集団のせいでもある」(スラヴォイ・シジェク『操り人形と小人 キリスト教の倒錯的な核』青土社2004)という言葉に出会い、ふと「宗教」を「音楽」に置き換えたらどうだろうと考えた。わかりやすくするために、真反対のとらえ方、つまり「音楽」が未だ「有機的にまとめるという機能」を果たせているとすれば、自動的に「普通の人々」がそれを自分たちのものとして保持している、ということになる。さて、いかがだろう。
     現代の、特に芸術的な音楽活動の現場は、「『普通の』人々」を何とかして振り向かせようと、日々苦心しているのが大方の現状だ。そこに「音楽」が「社会を有機的にまとめる」機能への篤い信心があるのかどうかはわからないが、少なくとも2012年に施行された「劇場、音楽堂などの活性化に関する法律」(通称「劇場法」)はその機能を意識した内容を含んでいると言えよう。冒頭のシジェクの言葉は前世紀末の言葉だし、その言葉に沿って何かを読み解こうというのでもないが、「音楽が生起する時」に起こっていることを考える際には話のきっかけとなり得る。
     今回の講演では日本の劇場や学校、また音楽祭など、音楽を媒体とする具体的な場においてその時何が起こってきたのか、概観しようと思っている。さらに芸術の教育・啓蒙的な活動の世界的状況も比較材料としつつ、劇場法などに象徴・想定されている事柄と、「音楽が生起する」時と場の現実がどのような位置関係にあるのか、考える機会としたい。

    16:30~18:00 ディスカッション

    構成メンバー

    荒木 健哉(共生・13年度入学)
    奥坊 由起子(表象・12年度編入学)
    越智 朝芳(表象・08年度入学)
    堤 万里子(表象14年度編入学)
    山口 隆太郎(表象・13年度編入学)

    研究会メンバー

    牧野 広樹(京都大学大学院)

    活動歴

    2014年度の活動はコチラ
    2016年度の活動はコチラ